静岡(旧駿河)は江戸蕎麦の原点で、蕎麦と饂飩の食文化の分岐点であり、
山梨(旧甲州)もまた江戸と信州の中間点にある。
その地に構える新進気鋭の店を敢えて主に選んでいるのは、蕎麦ほど
歴史があり薀蓄が語られる食べ物は他に多くないが、食べるその時は
歴史も屋号も薀蓄もいらない。
店が追求する蕎麦がうまいと思い、その店に出会った事が幸せなのだ、
という著者の蕎麦好きの思いが伝わる店選びだ。
著者が女性だからだろうか、店主への取材の話は蕎麦の思いをうまく
引き出していて、温かく表現されている。
親しい人達とは勿論の事、女性でも男性でも一人で蕎麦前を楽しみ、
寛ぐ時間に囲まれる雰囲気を大切にしていそうな行ってみたくなる
店ばかりで、行った店でもまた行きたくなる。
近所にそういう店があれば良いのだが、新しい店は郊外に増えている。
行く楽しみも食事の内で、借景も料理の内だろう。
静岡・山梨の人だけでなく、他県の人にも紹介したくなるガイド本だ。
発刊後の裏話がブログに綴られている事も面白く、含めて評価しました。
静岡・山梨のうまい蕎麦徒然 : http://umaisoba.hamazo.tv/