「悼む人」の主人公、静人の、日記です。
彼が日々、どのように旅をし、死者を追い、悼んでいるかが書かれています。
悼むという行為に対して彼自身が抱く疑問や矛盾みたいなものと、彼がどのように向き合っていたかも
書かれています。亡くなった人は善人ばかりではなく、人から憎まれていたりする人もいて、なおかつ
乳児や幼児もいれば老人もいる。そんな中で、どうやって1人1人を同じように悼むことができるだろう…
日々の記録は1日1日が重く、読んでいるだけでずっしりと胸に響きます。
実際にこんな生活をしていたらどんなに心身共に消耗してしまうことだろう…と思わずにはいられません。
静人の口から語られると、どんな死も、静かで、儚く、
死者の生前の、誰を愛し、誰に愛され、どんなことをして感謝されたか、ということが語られている部分は
とても美しい。それは、日本語が美しいだけではなく、それを語る静人の心が、美しいのだと思いました。
「悼む人」を夢中で読み、心打たれた人は、彼の日記を読むことで、
さらに彼に惹かれていくことと思います。