前著『言葉が足りないとサルになる』に引き続き読了。この度の『静かに〜』も著者らしい例示や、今風の話題に沿った入り込みやすい展開であるが、内容に関してはやや前提となる知識や「言葉」(そしてその意味)の難易度が高く感じられた。(そもそも、その「言葉」や前提知識を確認し、すりあわせよう!という趣旨なのではあるが)
東日本大震災をきっかけに、いや、実はそれがなくとも、薄々気づいていた「政治システム」「日本の資本主義」「憲法」「マスメディア」などの問題を、丁寧に静かに「言葉」をすり合わせ考えていく。改めて「問い」をたてることの重要性と、大量の「言葉」を動員し、考え続けていく姿勢を提供してくれる本である。
非常に読みやすい文体で書いてあるので、一見、学生さんや若い社会人にお勧めであるとは思うが、今現在、日本の音頭取りをしている(であろうと思われる)50代や、音頭取りをしてきた60代overの方にも読んでいただき、意見を聞いてみたい。「言葉」は、それが持つニュアンスや意味はその時々に変化するものであり、「昔取った杵柄」は分かりますが、その杵柄に胡坐をかかれていませんか、と。
今を生きるものすべてに課題は絶え間なく突きつけられ、その時々で考え解決していかなければならない。
「問い」を立てることと、著者が言い続けている「言葉」を大量に使うことの大切さを教えてくれる良書である。