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6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
大丈夫が大丈夫じゃなくなる瞬間,
By naonao-703 (京都市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 静かな爆弾 (単行本)
最初この主人公がどうにも厭な男で、なかなか作品に入ってゆけなかった。タイトルにある「静かな爆弾」は主人公の彼女響子の耳が不自由だからだと思いながら読んでいたら、いきなりこの作品に落とされた。 主人公が知っていたのに関心を持たないことにしていたことに気付く感覚が、こちらに伝染するのだ。 大丈夫だと思えない気持ちの行方が心を揺さぶる本だった
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
物足りなさは再読で補えばいい。,
By 愛澤 - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 静かな爆弾 (中公文庫) (文庫)
耳の不自由な彼女と付き合ってるのではなくて、付き合っている彼女の耳が不自由なんだという男のお話。しかし、よくある、ハンデのある女との恋愛話では決してない。耳が聞こえないといっても種類があってその程度は様々であるのに彼女がどういう立場なのか説明が続くわけでもなく、彼女の人物像は終始見えてこない。 それはこれが男のお話だからである。男が尋ねなければ女が答えることはない=読者は知ることができない。 とっても身勝手な男のお話である。 乾いた静かな物語の中にいくつも心に響く言葉がある。さすが吉田修一。物足りなさは再読で補えばいい。再読するたび出会える言葉があると思う。 吉田作品の初見にこの作品は絶対おすすめできないが、何作か読んだことのある方にはこの作品も是非知ってほしい。
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
大作を書き上げた後の、筆者の心の叫びを感じる,
By mana (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 静かな爆弾 (単行本)
「言葉にしようとしても、浮かんでくるのはその光景で、いっこうに言葉になってくれない」言葉ーというもののもつ力とその無限の可能性、そしてその限界について書かれているんだと思った。それを分かりやすく伝えるため、聾唖というヒロインを設定しただけで、この小説のテーマはあくまで「言葉」そのものであると。 言葉は、人を幸福にも不幸にもする。使い方を間違えると、凶器にさえ、爆弾にさえなる。 言葉は不用意に投げられる。悪意無く発した側が全く気付かなくても、受け取る側は深く傷つくこともある。 時に、時限爆弾のように、ある日、爆発することも。 言葉というもののみで不特定多数の誰かに向けて「伝えたいこと」を必死で伝えようとしている真摯な筆者の想いが、葛藤がストレートに書かれた作品だと、私はそう受け止めた。 これからも、きっと、素晴らしい作品を残していく作家なんだろうという期待をさらに持った。だから★4つで。
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