筆者は社会的責任、男女平等や人種差別の解消を推進する組織変革の家庭に関する研究家ですので、職場でゲイがいかに正当に扱われるかに尽力した先駆者やマイノリティーの地位確立への地道な努力したマネージャーの事例がたくさん出てきます。
日本で共通する問題といえば男女差別くらいでしょうか、しかし賢明な読者であれば、本書から多くの教訓を読み取ることができるでしょう。日本でもポジションパワーを持たずして、組織内で変革を試みる場合、多数派たちにより、集団の人々は何者であるか定義をされ、変革者はその枠をはみ出たものとみなされ、排除もやむなしという立場に立たされます。彼らにどのような戦略で変革者は臨むべきか。本書にはその事例にあふれています。他者と異なる自己を表現し、理想に基づいて行動したいと願いながらも、反抗者とみなされるようなリスクを負えない人々は、賢明にも静かな抵抗という道をたどるケースがあります。またあるものは個人の危機をチャンスに変えて自体を打開します。またあるものは交渉を通じて影響力を拡大していきます。
しかしながら、これらの手法は熟練したビジネスパーソンであれば、自然と使っているのではないでしょうか。逆に熟練したビジネスパーソンになりたいのであれば、巷のハウトゥモノの何倍も役に立つように思います。しかし本書は自分の環境からかけ離れた事例からそれを一般化して自分の立場に置き換えるという作業を要しますので、読み手にもある程度のレベルを要求しているビジネス書だと思いました。