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青銅の悲劇  瀕死の王
 
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青銅の悲劇 瀕死の王 [単行本]

笠井 潔
5つ星のうち 2.9  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

笠井潔渾身! 待望の矢吹駆シリーズ!! 1988年末、東京郊外の旧家、鷹見沢家に続発する奇妙な事件!そして冬至の日、会席の席上、当主の信輔が突然倒れる!旧家に纏わる忌まわしき因縁とは?!

内容(「BOOK」データベースより)

天皇の病状悪化が伝えられる1988年末。東京郊外頼拓市の旧家、鷹見澤家には奇妙な事件が続発した。鷹見澤家の長女、緑から相談を持ちかけられた探偵小説家、宗像冬樹とフランス語講師ナディア・モガールは不審人物の存在を知ることに。不穏な空気の中、冬至の日に執り行われた会食の席上、当主、鷹見澤信輔が突然倒れる!それはトリカブト毒を使った毒殺未遂事件だった…。昭和の最期、鷹見澤家を襲う悲劇とそれに纏わる因縁に迫る。

登録情報

  • 単行本: 778ページ
  • 出版社: 講談社 (2008/7/25)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062148064
  • ISBN-13: 978-4062148061
  • 発売日: 2008/7/25
  • 商品の寸法: 19.2 x 14.2 x 5.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 2.9  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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最も参考になったカスタマーレビュー
16 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Leon
形式:単行本
 ぶっちゃけ感想を一言でいえば期待外れな一作。まぁ余所でもレビューを読まれる人はいるでしょうから書いてしまいますが、今作は矢吹駆が登場しません。別シリーズの登場人物(というか笠井氏の分身)である宗像とシリーズのヒロインであるナディア・モガールを中心として謎の解明がされていきます。

 ストーリーも盛り上がりに欠け、実に地味な展開。旧家における毒殺未遂事件を中核として、ひたすら面倒な検討が延々と続きます。

 笠井氏がやろうとしたことは分かるんです。かつて法月綸太郎氏が論じ、氷川透氏が総括した「初期クイーン論」に対する笠井氏なりの解答もしくは立ち位置を表明しようというわけなのだと理解しているわけですが、これが小説として読んでいて楽しいかというと首をかしげざるを得ないわけですね。

 事件関係者の証言や、出てくる証拠が二転三転し、読者はどれが事実なのか、さんざん引っ張り回されます。ある意味捜査官と同じ立場に置かれるわけです。捜査官は事件関係者の証言を、「完全な事実」「完全な虚構」「一部事実で一部虚構」「錯誤による事実に反するもの」のすべてを想定して捜査しなければならないわけで、おいしいところを摘み食いしていく名探偵とは、しなければならない作業、想定しなければならない可能性の量が比較になりません。それゆえ、推理小説における警察官はフットワークが悪く、愚鈍で頼りにならない存在として名探偵の引き立て役になるわけですね。

 つまり、今回は読者がまさにその立場になってしまうため、読んでいて爽快感がない。ただ登場人物が推論しているのをボーっと見ていることしかできないのです。ゆえに私はエンタテインメントとしての推理小説として、今作に高い評価ができません。もっとも今作はあくまでキャラクターの顔見世であって、次作が日本編の本番という可能性も高いわけですから、まだまだシリーズからは目が離せないんですけどね。

追記

 それにしても、20年前が舞台設定とはいえ、登場人物たちが飲酒運転しまくりなのが気になってしかたがありませんでした。
このレビューは参考になりましたか?
25 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By gg2
形式:単行本
あの矢吹駆シリーズの新展開。1988年暮れ(昭和の終わり)という特別の時間を
背景に、今度はパリでなく日本を舞台にしている。第一作『バイバイ・エンジェル』
からのファンである私などにとっては、たまらない設定である。

出だしは快調である。作者の直接的な分身といえる探偵小説家兼評論家の宗像冬樹を
語り手に、60年代末の学生叛乱の(祝祭的な)時代から、停滞と後退戦の70年代、
そしてバブル景気を謳歌するポストモダンの80年代までを手際よく要約しながら、
作品の舞台を準備していく。

シリーズ前半のナレーターであったナディア・モガールもきちんと登場するし、要所
要所で、形而上学的議論やポップカルチャー評論を取り入れることも忘れない。自ら
の80年代作品である『ヴァンパイヤー・ウォーズ』に関する自己批評も面白い。

しかし、肝心の「高見澤家事件」が起こってからが、正直言ってぱっとしない。何度
も挟まれる推理合戦も冗長なだけで、盛り上がりを欠くし、このシリーズの売り物で
ある思想的な論戦も新しい水準を見せることがない。まあ、蓮實重彦に対するイヤミ
とか、吉本隆明へのシンパシーの再表明などはあるけれど、これは古くからの笠井潔
読者には周知の事柄である。

たとえ、繰り返しであっても、そこに少し新しい意匠をこらして、キャラクター小説
として楽しませてもらえれば、読者としては満足なのだが、その一番の楽しみが結局
与えられないことが、最もよくない。

500頁以上つきあって、第8章に至ったときに「おお、いよいよこれは」と大いに期
待したのだが、結局イントロだけで終わってしまった感じである。再結成コンサート
の楽しみはかつてのヒット曲を唄ってくれることなのだから、”現象学的還元”をキー
にした、あの決めの台詞を楽しませて欲しかった。

「いつだって真実は見る人の前にある。しかしこの場合には君が期待するような形で
は存在しない…あのパリの事件の発端で私が言ったようにね」

とカケル本人が述べるところを読みたかった。しかし、その期待は残念ながら、果た
されません。意味ありげなエピグラフが巻頭にあるのに。

初期三部作+『哲学者の密室』が圧倒的な水準を誇るだけに、本作の展開は残念です。
このレビューは参考になりましたか?
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 本書の帯には、日本篇の第一作と記されている。しかし、印象としては、第一章というほうが適当なように見える。
 語り手は、作者を想わせる小説家宗像。関東地方の鈷室山に出自を持ち、深い繋がりを持つ鷹見澤と北澤の二家。鷹見澤家は、古来一族の祀る鈷室神社の代々の神主を務め、北澤家は、現在日本有数の財閥を支配している。そこに一族の、かつての前衛画家にして現役の警察キャリア官僚、警察署長の蜜野、大学の教員となるナディア・モガール、画家にして北澤家の娘雨香と息子響が絡む。小説家宗像の作家となった経緯も語られる。雨香の双子の風視の周囲から立ち昇ってくる矢吹駆の影。その他登場人物には事欠かず、その人間像は未だ語られざる側面が多い。
 昭和が終わる、天皇が死ぬ、ということも、これだけ? の感がある。「鈷室」という名辞も、天啓教も、まさかこれだけが出番だということはないと思うが。ありとあらゆることに、これはどうなるの? という思いが湧く。
 事件がらみの部分では、時刻表トリックと同じで、とてもいちいちの事実を追う気にはならなかった。前提の設定で、推論はいくらでも成り立つということは自明であるし、前提の繰り込みの制限がなければ確定的な結果が得られないということも当然のことと思う。この小説中の推論の部分の量は、類書中最大に近いに違いない。『虚無への供物』を思い出した。とはいえ、推理を楽しめなかったわけではない。論理代数のような部分ではない、いくつかの発想の点では、面白かった。
 シリーズものとして考えると、主人公が登場しない点に関して、? と感じるが、総てが導入部と考えると、日本篇の大きさに大いに期待して、まあ、いいか、と思ってしまった。
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たしかに厳しいです
皆さんがご指摘のとおり、期待して買って読むとかなり厳しかったです。全体構成の見直し、文章をもっと刈り込むなど、かったるい印象を防ぐ手立てがあったはずです。
投稿日: 2008/12/14 投稿者: セントジョセフ
失望
退屈極まりない小説でした。
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