初めて読む作家さんで、他の作品との比較は出来ませんので、本書のみの感想を。
オビには「若きパトロンと彼の画家」と銘打たれています。内容もその通りですので、オビに偽り有りではありません。
でも、オビだけ見るとありきたりなパターンというか、「いかにもBL」(パトロンという立場を利用して…とか)
というものを(少なくとも)私は想像していたのですが、実際には愛に溢れているのに、もちろん幸せや笑いもあるのですが、
切なさも、葛藤もあって、それらが綺麗に構成された優れた作品だと思いました。
一冊全部が、パトロン×画家のストーリーなのですが、一話一話は読み切り形式で、纏まりがあり読みやすいです。
全体的な流れでは、時間の幅があり、最初の話が出会って5年目の話で、
最後の話(これのみ雑誌掲載分でなく描き下し。でもショートストーリーでなくちゃんと一話分あります)が、
ある事情により別れ別れになってしまってから三年後の話になります。
一旦別れたと言っても、最後はハッピーエンドですので、アンハッピーエンドが苦手な方でも大丈夫だと思います。
むしろ別れるに至った経緯を読んで欲しいくらいです。
あと、閑話休題的に話と話の間に書かれている4コマが個人的には超ツボで、そこも外せないです。
あとがきでは、本書に過去の著書「閑雅なスプーン」に出ていたキャラが出ていると書かれていたので
(キャラ名は伏せられていましたが)気になったので、そちらも購入してみました。
Hシーンは各話ごとに盛り込まれており、エロいことはエロいんですが(描写も上手い)、愛しさや切なさが滲み出ていて
生々しさは感じられません(なので、濃厚なエロがメインで読みたいという方には物足りないかも?)。
私としては、愛し合って自然にセックスしている恋人同士に見える彼らが好きです。
葛藤を乗り越えてラストに結ばれるカップルが好きな方にはオススメです。