全体的に、今一歩な作品です。
まず、ミステリ小説とは考えないで読むことをおすすめします。
トリックというトリックもないし、人間関係、家族関係を
主眼と捉えることで、読みどころが見えてくるように思います。
読後の感想としては、鳥井と坂木の関係性は決して嫌いではない、
むしろ愛情のある心地いいものとして見られるのですが、鳥井と
鳥井の母の具体的なエピソードを読むまでは、坂木の感情の揺れに
対する鳥井のあまりの変貌ぶりに正直、笑ってしまうことも
ありました。
鳥井の母子関係のエピソードが一話目に出てきて、だから鳥井は
こんなに坂木の感情にシンクロしてしまうんだな、と分かった上
で読み進めていたら、もうちょっと感じ方は違っていたと思います。
そこが残念。
しかし、鳥井のキャラクター、私は好きです。
せっかく続編も文庫になっていますし、これを理由にこちらも
読むだけ読んでみようと思います。