上松美香の演奏する「アルパ」は、ラテン音楽の楽器である。
当然ながら、彼女もラテノン楽のアルパ奏者としてデビューした。
そして「コーヒールンバ」などのラテン音楽を
アルパとパーカッションで演奏してきた。
だがここ数年、彼女は「ラテン」からあえて離れようとしているように思える。
アニメ音楽をカバーした「アニパ」、ギター音楽をカバーした「カヴァティナ」……。
私は最初それらを聴いたとき、微かな違和感を覚えたものだ。
しかし聴いていくうちに、アルパの音色が実に自然にアニメ曲やギター曲と溶け合うのを感じる。
考えてみれば、日本古来の三味線などでクラシック音楽をカバーしたアルバムもある。
またエレキギター華やかなりし頃は、寺内タケシが「レッツゴー運命」という名盤を出した。
上松美香は「音楽に制約や国境はない」ということを
自ら実践しようとしているのだろう。
今回のアルバムも、カーペンターズの名曲がアルパの音色に溶け込んでいく。
「伝統」とかいうものにこだわり、抵抗のある人も、少しだけ耳を傾けて欲しい。
上松美香の、前向きなチャレンジ精神が感じられる美しいアルバムである。
アルパを愛しているがゆえのチャレンジなのだろう。
ただし……矛盾するようだが彼女の魅力が最も発揮されるのは
やはりラテン音楽だとも思うのだが。