この本がいまだに文庫本に残っていることが嬉しい。平凡パンチが創刊されたのが確か64年、その平凡パンチに連載された。初版は66年だったように記憶している。ソフトカバーだった。いまでもその初版本は大事にしている。40年前。夢中になって読み、ジュンにようにシベリア経由で欧州を旅してみたいと夢見た。私が20才ころの話しだ。挿し絵=イラストが柳生弦一郎という人で、このイラストも良かった。「青年は荒野をめざす」というタイトルも良かった。自分もそうありたいと願った。しかし、いまの時代ではジュンはどうするだろう。荒野とは希望というふうにも思える。いまの状況は、日々生きている世界が荒野のようであり、旅に荒野はないのかもしれない。しかし、この本を読んだ当時の気持ちを思い返すと、希望をもって、自分らしく生きる、というふうに言い直すこともできるのではないか。60年代の古いサブカルチャーとしてでなく、いまを生きる若者に自分探しの物語として読んで欲しいと願う。