なにせ監督がクレージーキャッツの映画で名を馳せた天才、古澤憲吾である。テンポの快調さ、タッチのドライさ、むちゃくちゃなギャグは、岡本喜八監督の『愚連隊』シリーズを凌駕する。
物語は、第一次大戦中、中国の青島(チンタオ)ドイツが造った要塞を攻撃する、日本初の航空部隊(といっても複葉機が二機しかない!)の活躍を描くもの。
難攻不落のビスマルク要塞を攻撃する飛行機に積まれる兵器は、数の限られた爆弾の他、なんと出刃包丁とレンガ。それをどうやって使うのかは見てのお楽しみ。特にレンガでは、抱腹絶倒のギャグが大爆発。
こう書いてしまうと、史実を離れたふざけた映画のようだが、なんとこれは歴史なのである。この映画のポスターのコピーにある、『爆弾を手でぶつけた』そのままの記録フィルムまで残っている。
とにかく見せ場が満載。
『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』を彷彿とさせる(もちろん、こちらの方が先)吊り橋での大活劇に、航続距離の短い飛行機に敵地にて燃料補給をする秒刻みのサスペンス。古澤監督ならではの音楽シーン(戦争映画なのに)まであり、役者たちが実に楽しそうに演じている。
そして特撮映像としては、生涯を通して大空へのロマンを抱き続けた円谷英二特技監督が、のりにのって撮ったと思われる複葉機の飛行シーンに、海上からの要塞攻撃を試みる日本連合艦隊、要塞へ向かって疾走する弾丸列車など、陸海空すべての特撮シーンが楽しめる。
ああ、こんな活劇映画が新作で見てみたい。
VHS、LDでも買ったが、DVDでも当然買う。もっとも好きな(一緒に墓へ入りたいような)日本映画の一本なのだ。