1954年9月26日、台風15号(別名 洞爺丸台風)による強風と高波により函館港外で洞爺丸をはじめとした5隻の青函連絡船が一夜のうちに沈没し、乗客・乗員合わせて1,430名の命が失われるという日本の海運史上最悪の海難事故が発生した。世界史上でもかのタイタニック号の事故に次ぐもの。本書は筆者が長年かけて集めた国鉄の各種資料や海難審判の関連資料等に、海難事故に遭遇した連絡船各船の生存者の証言なども交えて操舵室や船室の状況が記述されているほか、転覆の理由もしっかりと説明されている。また、マスコミがどのようにこの海難事故を報道したか、新聞社に寄せられた当時の投書なども掲載。
また、本書は第1章で青函連絡船の歴史にも触れ、第6章では事故後の青函連絡船の復活、洞爺丸の代船として就航した初代十和田丸以降の青函連絡船についての記述もある。初の自動化船となった2代目津軽丸の建造に際して派遣された艤装員の 方々の苦労話も興味深い。
交通に関する専門書籍ではあるが、専門用語等は極力避けて書かれているので読みやすい。