【あらすじ】
元義弟を好きになってしまった逸人《いつひと》と、そんな彼に惹かれる
一《いち》。
逸人は同性愛そのものに悩み、更には自分の元妻の弟である一への
想いに苦悩する。
一は一で憧れだと思っていた想いが実は『恋』だと気づき、一のことを思
って想いを断ち切ろうとする逸人を支えたいと考え、必死に成長しようと
する――
【感想】
逸人の抱える家族の問題を上手く絡ませ、『家族愛』や『人間愛』といっ
た『愛』そのものを、 人の持つ弱さと強さを浮き彫りにしながら、 静かに
丁寧に描いていると思います。
透明で、淡々としていて、風景のような、心にゆっくりと浸透してくる作品
だと思います。
エンターテイメント小説というより、文学作品と言って良いかもしれません。
派手な作品ではない為、好みは分かれてしまうと思いますが、静かに紡
がれる人間ドラマを味わいたい方には、是非お勧めしたい一冊です。