大学生活の中でしたいと思ったことは、たくさんありました。
その道を選択するか、選択しないかは別として、教員免許を取得したのも、したいこのとひとつでした。
そして、限りある時間の中で、教員免許を習得するための授業を受け、教育実習のため母校へ行き、教壇に立って初めて、
「先生って、すごい」と、心から思いました。
40人の生徒を前にして、初めて[教師]という職業の重さを知り、生半な気持ちでなることは、けっしてできないと思いました。
だから、この本を読んだとき、涙が止まりませんでした。
かつて中学生だった自分の気持ちは、もちろん良く判っているし、教師にならなかったけど、少しは教師側の気持ちや事情も
判るようになった今だからこそ、余計に切なさが増すのかもしれません。
この本には、8つの話が綴られています。
最後の「カッコウの卵」以外のお話の主人公は中学生。それぞれが、心の中に色々抱え込んでいて、そんな時に村内先生が
やってきます。
大切なことを伝えるためにやってきて、それを伝えることができればいなくなってしまう先生に、「もう大丈夫。次へ行かなくても
良いです」と、そう言える時がくるようにと、心から祈りたくなります。
何故なら、この「カッコウの卵」は、中学時代に村内先生と出逢った主人公が成長して、後に村内先生と再会するお話なのですが、
この時点でも学校の中は、昔と変わらず、村内先生を必要とする生徒が大勢いるからです。
大切なものは何かを知るために。または、大切な何かに気づくために。大切なことだからこそ、ちゃんと声にして伝えることが
できるように。
大人も子どもも、すべての人に読んで欲しいと思った本です。