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この当時のいわゆる魔都上海に関しては現在の日本でも関心が高く、数多くの本も出版されているが、このタンタン上海編は1930年代リアルタイムに執筆されたものなので、その点からも注目に値する。物語中で満州事変のきっかけとなった廬溝橋事件が描かれ、これが日本軍の陰謀という設定になっており、もちろん当時においてはフィクションだったはずなのだが、結果的には真相に近かったという辺りも興味深いところである。
…なにやら話が固くなってしまったが、もちろんそんなに肩肘張って読む必要はない。冒険あり、友情あり、デュポン&デュボンの仮装ありの楽しい活劇なのだから。中国人の友人が作画協力をしているので、看板や張り紙としてところせましと書き込まれた漢字も正確無比(一カ所だけ出てくる日本語はちょっとお粗末だが)。オリエンタルムードたっぷりの画面も美しく、何度でも繰り返し堪能できる作品である。
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