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青い空〈上〉―幕末キリシタン類族伝 (文春文庫)
 
 

青い空〈上〉―幕末キリシタン類族伝 (文春文庫) [文庫]

海老沢 泰久
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

江戸時代、キリシタンは改宗しても幕府の監視下にあった。幕末に生きる主人公・宇源太も五代前の祖先が信者だったため、監視を受け、苛酷な生活を強いられていた。友人が殺されその敵討ちを果たした宇源太は、村を出て江戸へ向う。江戸で剣術を学び、尊敬できる宗教家と出会った宇源太。しかしそれは、新たな悲劇の幕開けだった。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

海老沢 泰久
昭和25(1950)年、茨城県生れ。国学院大学卒業。同大学折口博士記念古代研究所勤務ののち、著述に専念。63年「F1地上の夢」で新田次郎文学賞受賞。平成6年「帰郷」で直木賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 431ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2009/1/9)
  • ISBN-10: 4167414120
  • ISBN-13: 978-4167414122
  • 発売日: 2009/1/9
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.8 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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形式:文庫
 先月、59歳で亡くなられた海老沢氏。「F1地上の夢」「監督」などスポーツ・ノンフィクションライターの印象が強かったが、この「青い空」を読み、それは氏が残した仕事の一面に過ぎないということを知った。形式こそ小説ではあるが、れっきとした歴史書。日本になぜ本当の意味での宗教が根付かなかったのか、そんなことを考えさせられた。
 主人公の宇源太は類族である。類族とは、キリスト教が禁止させられていた江戸時代に幕府によって強制的に改宗させられたキリシタンのこと。転びキリシタンと呼ばれた人々の子孫は五代のちまで幕府の監視下に置かれ、藩外に出ることさえかなわなかった。ひそかに古里を抜け出し、江戸に向かった宇源太だが、何かに導かれるように仏教、神道、キリスト教とかかわり、宗教のさまざまな姿を見つめることになる……。
 キリシタンもしくは類族の視点に立ち、日本の近代史を振り返ると、まったく異なる世界が見えてくる。世界でも例のない「無血革命」と称される江戸幕府から明治政府への移行も、弾圧される側のキリシタンには何の変化も意味しなかった。一方で、江戸幕府の寺請制度の恩恵を受けてきた仏僧たちが、神仏分離令が発令されるや僧籍を捨て、なびくように神道の神官になる姿のあさましいこと。ただ、それは宗教にまったく関心を持たない私自身の姿とたぶるようでもある。
 歴史の教科書には「浦上信徒弾圧事件」(1868〜73年)とわずかに登場する事件も、文庫本2冊の小説を読んで初めて実感を伴い、少しは理解することができた。大河ドラマは「篤姫」「龍馬伝」と幕末ものがはやりだが、NHKも「公共放送」を名乗るならば、この小説をドラマ化する気概を見せてほしい。
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形式:文庫
初詣や葬式などの儀式でしか接点のない寺や神社。一般的な日本人は日常生活において宗教からは縁遠い生活をしている。何故このような事態になってしまったか。本書は現代日本人と宗教の関係の本質を歴史的な経緯から迫る。宗教というと固いテーマではあるが、軽妙なストリーを展開することで読む人を最後まで飽きさせない。ノンフィクション(宗教論)とフィクション(キリシタン類族の痛快な物語)をバランスよく取り混ぜた左脳と右脳を刺激する優れた読み物と思う。
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