このアニメを『地獄変/蜘蛛の糸』と銘打つのには賛同できない。
原作の小説と内容が異なり過ぎているからである。
このアニメに別のタイトルを付けた上で、
「地獄変/蜘蛛の糸に想を得た翻案作品である」と断ってあれば良かったのだが、
そのまま『地獄変/蜘蛛の糸』と銘打ってしまったのはまずかった。
最初からニセモノであることを強調しておけば良かったものを。
アニメーションの質は高いと思う。
深夜放送でこれだけの物を作った製作者の方々には敬意を表したい。
『蜘蛛の糸』『地獄変』を下敷きに作られた、一続きのオリジナルストーリーである。
一応、物語前半が『蜘蛛の糸』の翻案で、物語後半が『地獄変』の翻案である。
物語の舞台は日本ではない、どこかの小さな専制国家である。
王宮にはどこかで見たような青・黄・赤の三色旗がなびいている。
原作には全く出て来ない国王陛下が良いキャラをしていた。声優:浪川大輔の力量が感じられる。
カンダタはほぼゼロから創作されており、良秀と良秀の娘も原作とは全然違う。
欲を言うと、もっと完璧なニセモノにして欲しかった。
原作に絆されて物語の創造性が中途半端になっているのが残念。
良秀の娘が焼死するシーンは流石に作り込まれていたが、肝心の地獄変の絵がショボい……。