面白かったんですけど、エピソードの一つ一つが小粒で、それが集まった全体像も小粒な感じでした。どうしてもドラよけお涼の話だと思うと、すべてがダイナミックに破壊的であることを期待しちゃうから、書くほうも大変でしょうね(笑)。
すごく僭越なんですけど、お涼にシリーズを通じた究極の仇役がいたり、お涼が具体的な目標を掲げていて、毎巻それに一歩一歩近づいてゆく、というかたちになっていたら、必ずしも起こる事件がどこまでも破壊的でなくても面白くなるんじゃないのかなと思ってしまいます。仇役なら、由紀子レベルじゃなくて、ホームズでいうならモリアーティのような、かなりお涼に対抗できるレベルで、なかなかお涼でも完全には叩きつぶしきれないような相手。目標なら、例えばまだお涼に抵抗して屈していない警察幹部とか国の省庁なんかを、新たにお涼の手下の名を記したえんま帳に毎回いかに加えていくか、とか。今までの感じだと、行き当たりばったりで気に入らない相手を叩きつぶしているだけって感じがします。まあ、それでも充分すごいんですけど(笑)。
お涼も泉田さんも好きなので、ちょっとマンネリ化しているこのシリーズがもっともっと生き生きしてくれる何かが出てくるといいなあ、と思っています。