と言ってしまえば何か暗くて情けない印象を持つかもしれないが、ポピュラー界において現代ほど懐古趣味に落ちいらねば楽しめない時代も無かったろう。そこで、本作、宇宙人集団スプートニクスである。「霧のカレリア」は突然日本のヒットパレードに現れた60年代当時珍しかったスェーデンからの音楽だった。初来日時には一時ビートルズ・トゥアーにリンゴに代わり参加したドラマーがついて来て話題にもなった。
学生時代にはスプートニクス教のような学友がいて、出されるシングル盤を次々と買っていたのも今になって思えば印象的な思い出である。だから、彼との付き合いの関係で私の記憶には「カレリア」以外でも「空の終列車」「黒い瞳」「モスクワ」「ジャニー・ギター」「夢のオレンジ号」等と色々なシングル盤がインプットされている所為か、日本では結構知られた存在だったと言う思い込みがある。でも、そんなにハイ・テクニシャンでもなかったし、本当はマイナーなポップス・バンドだったのでしょう。
そんな訳で思い出を以って本作を購入したのだが、時代から来る録音状態の悪さと多少の音の軽さは諦めると、結構個性的なエコー処理された懐かしい宇宙ギターサウンドが聞こえてくる。
まったくの懐古趣味である。だが、それは人生を刻んできた者にのみ許される贅沢な趣味でもある。彼等を知らない人には無理にお勧めはしないが、「カレリア」を聞いた事がある人は一度自分の懐古趣味度を確認してみては如何なものか。