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35 人中、35人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
ほかにも残ってないかな、こんなエッセイ,
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レビュー対象商品: 霧のむこうに住みたい (単行本)
ほかの作品同様、言葉を追いかけるやすぐに日常生活を脱し、著者の世界にとらわれてしまう。とても心地よく、上質の音楽を聴いているようだ。しばらくもとに戻りたくなくなる。友人や知人、親戚との出会いや別れなど、誰もが経験するであろう普通の事柄が著者の手にかかるととたんに輝きだすから不思議だ。イタリアに行ったことがないのに、一緒にイタリアの街を歩き、知る由もない人々のことを知ったかのような気持ちになる。 著者と一緒に街を行き来し、時間を行ったり来たりしながら、いつのまにか悲しみすら乗り越え、この世を生きることはそんなに悪くないと思えてくる。
16 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
硬質な静寂,
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レビュー対象商品: 霧のむこうに住みたい (単行本)
このひとの随筆を読んでいると、心の波がしずまる。
読みながら顔を上げると、見なれた風景も、粒子がこまかくなったように感じられる。 「霧のむこうに住みたい」は、この本が刊行された2003年当時、単行本に収録されていなかった文章を集めた随筆集。解説は江國香織。 こんなにすばらしい、宝物のような作品たちを、とりこぼされすことなく、きちんとすくい上げてくださってありがとうございます、と編集者の方にお礼を言いたくなるような一冊だ。 たとえば「白い本棚」と題された、三ページあまりの短い文章。 「本ばかりのその部屋に白木のままの本棚があった。」ではじまる第一段落と、 「夫が死んで二年ほど経ち、」とつづけられる第二段落。 そのあいだ、ほんの数ミリの行間にどれほどの思いがあるか、須賀さんはいっさい語らない。 語らないために、読者であるわたしたちの胸はいっそうざわめく。 本棚を半分こしてよろこんだ数カ月後、若い夫が突然亡くなってから、ああ本棚を白く塗ろうと思いたつまでの長い時間、その心の動きに思いをはせずにはいられない。
15 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
本物の贅沢さ,
By PITO (千葉県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 霧のむこうに住みたい (単行本)
この本で初めて須賀敦子に出会ったが、その洗練された文章に圧倒された。
彼女の文章には無駄がない。誇張や、大げさな表現や、感情表現といったものが、限りなく削げ落されている。装飾が全くといっていいほどないが、とても贅沢な文章だという印象を受ける。 これは主にイタリアで書かれたエッセイだが、何でもない日常が、実に上質な文章で綴られている。私は特に、悪魔のジージョの話が印象に残っている。 本好きを自称する人間として、須賀敦子に出会えて本当に良かったと思う。
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