本書は霞ヶ関で働く若手官僚グループ(プロジェクトK)によって書かれた霞ヶ関改革論である。本書を読んで、霞ヶ関の官僚も民間企業のサラリーマンも真摯に仕事に取り組む姿は、変わりがないと感じた。
国会会期中は数ヶ月に渡り深夜残業の連続というモーレツな職場環境。本来は国会で作成されるはずの法案のほとんどが官僚により作成されているという現状。縦割り行政により、国益よりも省益を優先せざるを得ない現状。
多数の優秀な人材を抱えていながら、非効率な組織に縛られて彼らの能力が活かされていない。こうした状況に苦しんでいるのは、国民だけではない。霞ヶ関の官僚にも憤りを感じて現状を変えたいと思う人がいるのである。
民主党への政権交代後、『脱官僚』という言葉がしばしば使われるが、本来の目的は、霞ヶ関の解体にあるのではなく、霞ヶ関に効率的に働いてもらうことであり、霞ヶ関の役割の再定義と再構築である。そうしたとらえ方をすれば、今回の政権交代を歓迎している若手官僚も相当数いると推測される。
国と霞ヶ関(官僚)は、長期戦略の立案に重点を置き、他のサービスは縮小すべきである。社会の複雑化に伴い、国民の価値観も多様化し、国に求めるサービスも異なってくる。これらに対応するには、国よりもNPOの方が適している。そして、NPO支援の主役は国民であり、国は間接的にバックアップする。国民による改善活動を国がバックアップする社会。これが本書の提案する日本の将来像である。
霞ヶ関の役割が転換期を迎えた今、日本の将来を考える上で読んでおきたい書である。