『さらば財務省』の著者(元財務省キャリア、本年4月より東洋大学教授)による日銀、財務省ひいては日本の中央官僚制度全てに対する建設的批判の書。このような書が次々と世に出ること自体歓迎すべきことであり、空港会社への外資規制が「国の安全保障」論とは何らの関係もなく、単に天下りという「役人の安全保障」を目的としている事情を喝破するなど、小ネタも含めて内容も読ませる。前著における「反インフレ至上主義」の日銀と「財政原理主義」の財務省が、対立しているようでいて実はメンタリティーが似通っていること(前著203頁)や日銀が依然としてハイパワード・マネーの供給を渋っている(むしろ減少している)が故にデフレ脱却ができない(前著56頁、同200頁)との指摘は、同様に本書を貫く縦糸になっている。また、「マンデル・フレミング理論」や「国際金融のトリレンマ」論など、国際経済学の基礎知識も得られ、薄いが充実の内容。それにしても、「高校1年生〜財務官僚・日銀マン向け」との帯惹句は、皮肉たっぷり。