2009年6月、東京のラジオ局ニッポン放送では1年間に渡り藤沢周平作品の朗読番組を毎週日曜日朝6時20分より放送している。「花のあと」「玄鳥」「竹光始末」「ちゃんとよべ」「泣く母」などがこれまで放送されています。
早朝とはいえ、朝仕事の時間帯なのでラジオを共に藤沢作品を早朝に聴く至福の時間を過ごしている。番組のナビゲーターは書評家としても有名な俳優児玉清氏。伴奏はジャズ・ヴァイオリニストとして超売れっ子の川井郁子さん。「泣く母」の朗読は那須恵理子アナウンサー。
そういう訳で、藤沢作品ビギナーの私は、ミーハーなので毎月放送された作品を聴きながらも、結末が気になり文庫を買い求めるという、これまた至福の時間を過ごしている。表題作「霜の朝」は巻末に収録された作品。奈良茂の一文にこうある。銭を持つ身の苛立ちも気重なものであるという。紀文との戦いは熾烈ながらも粋なひと時代の終わりであり、こうして去来する胸の内は懐かしげでもある。
刊行された頃より平成の大不況で読む時、感慨もひとしおである。