星三つ。タブーである「霊」の問題に取り組んだことは評価に値するが、読んでみてどうもすっきりしない。
一つは「霊」とは何をさすのかが明確にされないまま、だらだらと対談が続いてしまったことである。いわゆる「死後の世界」に存続する「霊魂」(Soul)と、「聖なるもの」に対して畏怖の念を感じたりする「霊性」(Spirituality)がごっちゃになっている。両者の間にはおそらく重要な関係性があるのだろうが、私のような凡人には正直言ってどう関係しているのかよく分からない。そういうことが自明であるかのように話が進行する。こういう点について五木氏にするどく突っ込んでもらいたかった。あるいは、編集がしっかりレールを敷いておけばこういうことにはならなかったのではないか。
それから、どうも読みにくい。けっして難しくはないのだが、対談のリズムのようなものが少し外れていて、いちいち引っかかる。五木がいつもの五木でない。知識的な解説は鎌田に任せてしまえばいいのに、自分で解説してしまう。それがぎこちない印象を与える。内容的にいい話も出ているのでいかにも惜しい。