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霊と金―スピリチュアル・ビジネスの構造 (新潮新書)
 
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霊と金―スピリチュアル・ビジネスの構造 (新潮新書) (新書)

櫻井 義秀 (著)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

信じる者は救われぬ。スピリチュアリティ(神霊・心霊)を騙れば簡単に金儲けはできる。ほんの少しだけ「不安」を煽り、安易な「癒し」を差し出せば判断能力は歪められ、人は喜んで搾取され続けるのだ。その危険性について現代人はあまりに無防備である。神世界、統一教会、テレビ霊能者から仏教、神道、キリスト教など既存の宗教まで、霊と金、宗教と経済の関係を対応させながら現代社会を鋭く読み解く意欲作。


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

櫻井 義秀
1961(昭和36)年山形県生まれ。北海道大学大学院文学研究科博士課程中退。文学博士。北海道大学大学院文学研究科教授。専攻は宗教社会学、タイ地域研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 255ページ
  • 出版社: 新潮社 (2009/05)
  • ISBN-10: 410610315X
  • ISBN-13: 978-4106103155
  • 発売日: 2009/05
  • 商品の寸法: 17.4 x 10.8 x 1.8 cm
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5つ星のうち 5.0 スピリチュアルの売れる理由、悪い理由。, 2009/5/27
By ソコツ - レビューをすべて見る
(TOP 50 REVIEWER)   
「スピリチュアル」を駆使して消費者から金銭を収奪する行為の何が問題なのかを明解に説いた啓蒙書。先に出版された編著である『カルトとスピリチュアリティ』(ミネルヴァ書房)で提示されていた著者の論点が、一般向けにより噛み砕いて語られているといった感じもある。「スピリチュアル」が流行する社会的背景を分析しつつ、それが神世界や統一教会のようなカルト集団が跳梁跋扈する悪世相といかなる関係があるのかを考察し、対処法を検討する。
「前世」「霊界」「先祖の因縁」等の「スピリチュアル」を応用したビジネスは、顧客(潜在的な販売者)のリスク認知をゆがませ、利得計算の狂った異常な商品購入(販売活動)を行わせる反倫理的(→犯罪的)な商法である。著者ははっきりとこう断じる。だからメディアがこの種の商法に説得力を与えるような広告を出したり、スピな番組を製作したりするのは自重すべきだし、大学キャンパスなどで詐欺的な布教活動を行っている団体には、「自由」など認めず厳しく取り締まるべきなのだ。
香山リカ氏が、「スピリチュアル」に対し懐疑的な態度をとろうとすると「頭の固い人」「心の貧しい人」と思われてしまい嘆息する、と書いていたが、それでもやはりおかしなものをおかしいと認識するのは大事である。その「おかしさ」の構造を批判的に理解するために、本書は教育者を中心として幅広く読まれてしかるべきだと思う。
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8 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 笑い事じゃないけど、失笑ものの「神様」, 2009/6/9
By 革命人士 - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
金儲けの手段としての宗教について論じた本。明解な対価がないだけに、いったん心を開いてしまうと、百万でも億でも際限なく金を差し出してしまうスピリチュアルビジネスに、著者は厳しい批判を行う。

はまり込んだ警察幹部が処分されたヒーリング宗教「神世界」。相談をしてきた人の話からその金が第一な内情を報告するのだが、せこい…教典には「神様が一番嫌いなことは損をすること」「支払いが遅れたら取引は解消」と書いてあるそうだ。統一教会も「日帝36年に報いるには日本人女性が韓国人男性と結婚し献身する」なんて与太話が信仰のコアなんだそうだが、信じてしまうとこんな失笑ものの「神様」でも、心理的プレッシャ−をかけ続けられると疑わなくなってしまうのが恐ろしい。神世界も統一教会も巧みに敷居を低くしているのも、怖いと思わせられる。

後半では著者が、指導するゼミ生とともに訪れた「スピリチュアルの見本市」すぴこんの体験記が語られる。こうした出店では「オーラの泉」がよく流されているという。同番組の最後に「VTRを使用した物品の販売は許可してません。悪質なセールスに…」というテロップが出るのはそういう訳か。現代社会に定着した「癒し」・ヒーリングや自分と超越した存在との接触、いわゆる「スピリチュアル」がブームになり、そこから怪しい新興宗教へ、という流れを読み解く。実例と理論で、宗教と金のつながりを探り出している好著といえる。
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10 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 「貧困ビジネス」としてのスピリチュアル, 2009/6/17
By 馬場伸一 (福岡県) - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
私たち日本人は自分で思っているよりもずいぶんと実際には宗教的である。
私たちは霊魂の不滅はともかく存在は信じているし(特に亡くなった肉親の「魂」の存在を否定できる日本人はほとんどいないであろう)、自然神もなんとなく信じている。このような多神教的宗教観は日本文化に豊穣な物語性を与え、漫画やアニメなどの日本発のソフトパワーの魅力の源泉となっている。

多神教的世界に属する私たちにとっての「神」は人格神であり、独自の文化や論理を持つものの、対話し交渉することが可能なものである。古来日本人は神秘的なる存在に賄賂を使ったり(供物)、お世辞を言ったり(祝詞)、あまつさえ脅迫したり(「てるてる坊主」の歌を想起されたい)してお付き合いをしてきた。先祖霊や妖怪の存在を受け入れている日本人が、スピリチュアルなるものに対して抵抗感が薄いのは自然なことである。

本書第1章で紹介されているスピリチュアル・ビジネスにおいては、「カミサマ」にお金を奉じる「取引」が推奨され、それが「商売」の原理となっているのだが、そういう噴飯モノの商売が受け入れられる素地は伝統的にあるのだといえる。

本書では、スピリチュアル・ビジネスが消費者の「リスク認知」を歪ませることにより「お金を巻き上げる」仕組みが解説されており、極めて説得的である。また、スピリチュアル・ビジネスが社会的経済的に脆弱な人たちのニーズに応え、しばしばそういう人たちを搾取していることを強く警告している。

経済的に困窮した人の切実なニーズに付け込み、経済困窮者からさらに搾取するビジネスを「貧困ビジネス」と呼ぶが、スピリチュアル・ビジネスも同様の構造を持つ。スピリチュアル・ビジネスを「救われている人がいるのだから」と正当化することは、貧困ビジネスが「必要とする人がいるのだから」という理由で正当化されてきた構図と同様である。

ぜひ、多くの人に読まれるべき本と思う。
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