良くも悪くもリアル。
好評価は他の方が書いてくれているとおり。
家族と周囲の行動等はシンプルに描写されていて良いのですが
マイナス点は、色々な場面で自分に酔いすぎ。
ちょっと気になる、ではなく、かなり、うわぁ…なので★-2です。
例えば、ご近所さんのあわてぶりと比較して自分がいかに冷静かを色々描く割に、
親御さんが電話で
「無職のお前がそこに留まって、
(そこにいなければいけない人達の分の)限りある資源を使い果たして迷惑かけるより、
被害の少ない実家に帰ってこい!」
と声を大きくしたことに対し
「この町が気にいってんだ!単に離れたくないだけなんだ!」と主人公が逆らうシーンは、明らかに親御さんが冷静で正しい判断をしている。
実際の会話だろうしそれを描くことは別に否定しません。
でもここの著者自身描写を、一番の見せ場並に漫画的ドラマチックに仕上げちゃうのは…えー?…。
ちょっとこの自分至上主義っぽく見えちゃう部分はどうかなーと。ダブルスタンダードの見本てくらい自己矛盾してるのに。
他にもチョコチョコ自分うっとり感が垣間見えちゃう部分が頻出するので冷める。
ただ、上記に関してだけは、
あの怒濤の混乱の中で露出する感情が、なかなか理路整然と言うわけにもいかないだろうなというのは理解出来ます。
今も生まれ育った故郷を出るか否か、心の整理がつかない方々が沢山いらっしゃり、外部が理屈だけで動いてしまうのは、あまりにもあまりなのだろうな…と感じました。
絵も話の進め方も読みやすく、全体としては良くできており、貴重な手記であると思います。
極寒の中、朝から晩まで給水車で水を配り続けるおじさんの話を見て、
このように体を張った方々がきっと、色々なところに大勢いらしたのだな、と、
遠い地の自分はせめて出来る募金を今後まだまだ続けようと、改めて思いました。
あと本の半分は著者の漫画描きとして売れないけどあきらめない、という生活の描写で占められています。
全部震災の情報ではありません。