震災復興に関する書籍は表面的な議論が多いが、本書は経済学の視点から、震災復興の方向性や、今後の震災被害を最小化するための方策を考察している。阪神淡路大震災でも議論になった「被災者支援」や「個人補償」をはじめ、「災害政策と個人の自助努力」との関係で、なぜ被害は拡大するのかといった分析は興味深い。さらに、「震災に強い都市」を目指すためには、リスクファイナンスとリスクコントロールの両方を全活用する必要があり、アメリカの連邦災害庁のような組織を日本に設置するべきとしている。内容は専門書に近く若干難解な部分もあるが、多くの人が読む価値のある書籍と思う。