光にも熱にも磁力にも変わる極めて便利な電気。人類に限りない豊かさをもたらす一方で、完全に人類の文明社会を支配下においてしまった。
そして、電気は、電気を生み出す者と掌る者に巨大な力を与えることとなった。その結果、原子力が、核兵器としてよりも、むしろ平和利用の名の許に、文明社会を、我々人類を支配している。
他方、日本人は長い歴史の中で、この自然豊かで、風光明媚で、多様な季節を堪能できる、素晴らしい国土を手に入れた。ただし、その代わりに、地震というとてつもなく大きな代償を負っている。
我々日本人は、その代償からは逃れられない。その一方で、50年以上かけて、原子力を力でねじ伏せようとしたのだが、結局それは叶わなかった。である以上、日本人の未来を原子力に託すことはできない。やはり、いつかは原子力の呪縛からは脱却しなければならない。
果たして、日本人は何にの未来を託せばいいのか。託すに値するものは、存在するのか。何とか、未来を、託したい。
著者は、作品の中で、登場人物に以下のせりふを言わせている。
「戦争反対は、地震反対や台風反対と言うのと同じ。原発反対を、戦争反対と同じ棚に置いてはいけない。」
かみしめたい。