仕事上、必要があって手に取った。
NTTの黒電話から最新のIP電話、携帯電話まで、
電話がつながる仕組みを、豊富な図版、写真とともに解説している。
特にPSTN(=NTT加入者電話網)の解説には瞠目する。
ここまで平易に、しかも細部を端折らずに解説した本には
いまだかつて出会ったことがない。素晴らしい。
本書のなかに、IP電話と従来の加入者電話のもっとも本質的な違いを
発見した。曰く、
「加入電話の電話網は、ネットワーク全体が125マイクロ秒の鼓動で
同期して、多くの人の声を順番に送ることで、時間通りに音声が
届く仕掛けになっていました。ところがIPネットワークには、電
話網のような鼓動がありません。」p210
専門書と教養書のちょうど中間に位置するレベルなので、
第一線の設計者、技術者にはものたりないかもしれないが、
なんの予備知識もなしに電話技術の勘所を理解するには十分な内容である。
企画や営業でIP電話に関わっている方にお勧めできる良書である。