ちょっと大風呂敷のタイトルに惹かれて買った本だったのですが、技術解説との期待は、うれしいことに見事に裏切られ、発明家の艱難辛苦のサクセス・ストーリーは
ちょっとしたサスペンス小説よりもわくわくさせられました。作者の出会う困難の
真因が日本の社会の根拠のない権威主義、そして新しいことを単純に面白がるといった好奇心の欠如にあることが作者の話の中からあぶり出されていくのがとても
面白いと思いました。
オーディオマニアの趣味が昂じて、遂には車の改造にいたり、それで世界中の
中古車の燃費を大幅向上させようというお話なのです。これまで知らなかったのですが、車の電気系統はいわゆる単線で、車体、エンジンで
アースを取っているそうなのです。ご存知でしたか?オーディオマニアの著者は
電子製品の品質、スピーカーとかは、電線の抵抗だけではその性能は測れない
というのです。品質は電子のスピードによって左右されるというのです。現在のアース方式ではエンジンは常に静電気を帯びている状況になる。燃料の分子も電荷を帯びているので、望ましい爆発が期待できないという説明は結構説得力があります。この本の批判者には科学的な反論を期待したいと思います。そうでないと、作者のぶつかった日本のどうしようもない社会の「バカの壁」がまたあったと嘆息せざるを得ません。私は応援します!日本のマニア!