日本電子出版協会の1970年から2008年までの取り組みを振り返る出版物。
KindleやiPadの登場を機に、タブレット型端末が普及し、電子出版ビジネスが本格的に立ち上がるのでは、という期待が高まってきたように感じられる。これを機に、これまでの日本における電子書籍に対する取り組みを俯瞰したいと思い、この本を手に取った。しかし開いてみれば、協会の活動年表と、成果をつまみ食い的に紹介する2〜3ページの文章を20篇ほど寄せ集めただけの内容の薄い本だった(成果の紹介にすらなっていない、単なる思い出話も多い)。つまり日本電子出版協会の活動PR本と思った方がよい。
技術紹介にしては情報が乏しすぎる。電子的媒体を通じて出版を行うことによる各方面への影響、将来の可能性や現在の課題、それらについての考察もほとんどない。協会の成果として、技術とともに、失敗と成功、教訓や夢、等々がもう少し語られてもよいのではないか。
日本電子出版協会は、この本を通じて読者に何を伝えたかったのか?出版に従事する者として何を考えてきたのか?そういう疑問だけが残った。