筆者は、資金決済法の制定過程を間近に見てきた立場にあり、実際にビジネス界からの実務相談にも多く応じている弁護士であるが、この本は資金決済法の解説本でもなく、現在実務上課題になっている事例を紹介する本でもない。あとがきに筆者自身も書いているように、思い切り背伸びをして電子マネーの未来社会を覗いてみた本である。気弱なサラリーマンとポイントに目がない妻を中心とした仮想の物語をいくつか描きながら、それぞれの物語に法律的、経済的な大まかな解説を行うという構成になっている。最終章では「世界共通マネー」という未来も描かれているが、あながち空想であろうと一蹴しづらいような昨今の電子マネーの進化がダイナミックに描かれている。電子マネーに携わる専門家の方々だけでなく、創造的なアイデアが欲しい多くの方にお勧めの本である。