単に電力自由化の影の部分を書いた本というよりも、電力自由化を題材にして、日本を席捲している「規制緩和」「グローバリゼーション」の真の姿を暴いていると考えた方がよいと思う。
新古典経済学はとどのつまり、アダムスミスの世界(=自由放任)へ帰れと主張しているが、自由放任は果たして善なのか。また、自由放任に悪気はなくともそれを悪用する人は出てこないのか。本書を読んでいくと、規制緩和は決してパラダイスを約束するものではないと思ってしまう。
アメリカも小泉政権も規制緩和路線を突っ走っているように見えるが、そのことによって本当に日本人全体の幸せにつながるのか、一人一人がよく考えてみるべきだ。少なくとも、そこに悪意が潜んでいないのかを慎重に見極める必要がある。