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電力と国家 (集英社新書)
 
 

電力と国家 (集英社新書) [新書]

佐高 信
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商品の説明

内容紹介

「公(パブリック)」精神なき国に原発という怪獣が生まれた

フクシマの惨劇を目の当たりにした今こそ「民vs.官」で繰り広げられてきた、電力をめぐるこの国の暗闇の歴史を徹底検証。真の公益性と公の精神を取り戻し、電力の明日を考える、今こそ必読の1冊。

内容(「BOOK」データベースより)

軍部と革新官僚が手を結び、電力の国家統制が進んだ戦前、「官吏は人間のクズである」と言い放って徹底抗戦した“電力の鬼”松永安左エ門「原爆の洗礼を受けている日本人が、あんな悪魔のような代物を受け入れてはならない」と原発に反対した木川田一隆など、かつて電力会社には独立自尊の精神を尊び、命を賭して企業の社会的責任を果たそうとする経営者がいた。フクシマの惨劇を目の当たりにした今こそ、我々は明治以来、「民vs.官」の対立軸で繰り返されてきた電力をめぐる暗闘の歴史を徹底検証し、電力を「私益」から解き放たねばならない。この国に「パブリックの精神」を取り戻すところから、電力の明日を考える。

登録情報

  • 新書: 176ページ
  • 出版社: 集英社 (2011/10/14)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4087206130
  • ISBN-13: 978-4087206135
  • 発売日: 2011/10/14
  • 商品の寸法: 16.8 x 10.8 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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By 仮面ライター VINE™ メンバー
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 日本で今、一番求められている事…それは何と言っても「震災からの復興」と「原発事故の収束」であろう。決して「TPPへの参加」や「消費税率の引き上げ」などではない。その東電・福島第一原発の事故について、首相の野田佳彦は12月16日、原子力災害対策本部で「冷温停止状態(ステップ2)の達成」を宣言し、夕方の記者会見において、野田は「発電所事故自体は収束に至ったと判断される」と語り、「工程表ステップ2」が終了した、との見解を示したそうだ。溶融した核燃料の場所すら特定できず、放射性物質の大気への放出も続いている、というのに…。

 本書は、史上空前の原子力災害を引き起こし、東北・関東等を放射能まみれにした東京電力の“生みの親”といえる松永安左エ門(1875~1971)と“育ての親”といえる木川田一隆(1899~1977)を通じて、「電力と国家の葛藤の歴史を振り返りながら、いかにすれば両者の緊張関係を保ちつつ、電力を「私益」から解き放つことができるかを考える素材を提供することを目的」(p.16)としている。とりわけ、「自分の故郷、福島県に原発を持ってきたのは、木川田その人」(p.136)であった。そして、著者は「今、この現状を木川田一隆が見たら、何を思うだろうか」(同)と問うのだ。

 ところで、木川田の“名誉”のために言い添えると、彼は「原子力はダメだ。絶対にいかん」というほど「原子力政策に反対だった」(pp.136~137)。それが「豹変」した経緯は、佐高信氏が本書で縷々述べており、ある意味、本書のもう一つの肝でもあるので詳述しない。だが、木川田のいう「悪魔のような代物(=原発)」を自分の故郷に持ってきた彼の「覚悟」を、平岩外四(1914~2007)以降の東電トップは寸秒も忘れてはならなかったのだ。木川田一隆といえば「企業の社会的責任」論を首唱したことでも有名であるが、その「自覚」があったからこそ「覚悟」ができたと思う。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By hbspmd トップ1000レビュアー
電気の有難みを思い知らされた日本であるが、眼をアジアの新興国に転じると、そこでは日本が戦後から高度成長期にかけて通って来た時代と同様に、社会インフラ、とりわけ電力を如何に確保・拡充していくか、という課題がある。

本書は戦前から戦後に掛けて、現在の国内電力会社の体制を構築するに至るまでの経緯が詳しく記載されており、その時代に大きな存在感を発揮した二人の人物を描くことによって、国家の関わりはどうあるべきか、を炙り出している。

筆者の考え方の基本にあるのは、国家=公(パブリック)ではない、ということであり、国家に任せておけば公益が実現されるという考え方に警告を発している。このことは、今回の原発事故以降、露呈した国と東電との関係を見れば明らかである。今後の東電のあり方を考える上でも参考となる一冊である。
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4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By dream4ever VINE™ メンバー
いかに東電、その他電力会社が堕落していったのか。

結局、企業も政治も行政も「人」なのである。私利私欲に駆られた人間が国を破滅に導く。

歴史にイフは無いという。だが、仮に松永安左エ門、木川田一隆の思想が企業に引き継がれていればフクシマの悲劇は起こらなかったのではないだろうか。

佐高さんも限られたページの中では思いを書ききっていないとは思うが、筋を通した利他的な男にほれ込むのはいつもと同じだろう。石橋湛山や城山三郎等々。

威張り腐った役人(厄人)が大嫌いだった電力の鬼、松永安左エ門。福澤諭吉に惹かれ慶応に入学。不器用なまでに「民の精神」にこだわっていたとのこと。

佐高的には商売人の小林一三や平岩外四(東電社長、会長)などは、まったく小さな人間に見えてしまうと。
戦前の日発の解体により電力を9分割案で民営しようとする松永、GHQは民営と発送電分離、国(与野党とも)は電力事業の国営化を官僚を巻き込んで画策したようだ。
しかし、松永、木川田のコンビはGHQも巻き込み、発送電一括での民営化を実現する。昭和26年5月電力の国家管理は終止符を打ち、民営化となるわけである。
そして、原子力発電の主導権争いが再度起こる(東電に1955年原子力発電課新設)
この日本における原子力発電をめぐる政官民の遺恨を背負った流れが今日の許認可組織が馴れ合いという体制を作ってしまったのだろう。

木川田自信も原発を「悪魔のような代物」と言っていたという。だから自分の故郷に原発を持ってこようとしたのではと佐高は書く。そしていい加減な官に任さず、民の責任で管理しようと。
そして佐高はさらに書く、東電の変質は平岩外四から始まったと。平岩は官と戦った創業者の精神を受け継ぐことが出来なかったと。民間が主導する電力で日本を豊かにするのだという気概、そして企業の社会的責任への自覚がなかったのだと。

昭和46年(1971年)の遺書は木川田らに預けられた。
「一つ、死後の計らい事、何度も申し置くとおり、死後の一切の葬儀、法要はうずくの出るほど嫌いに是れあり、墓碑一切、法要一切不要。線香類も嫌い。死んで勲章位階(もとより誰もくれまいが、友人の政治家が勘違いで尽力する不心得かたく禁物)これはヘドが出るほど嫌いに候。財産は倅および遺族に一切くれてはいかぬ。彼らが堕落するだけです」と書かれ、戒名もいらぬと。

追記:僕は「社畜」というテキストは佐高さんの造語だと思っていたら、中堅スーパーのサミット元会長で経済小説作家の安土敏さんだそうです。そして会社の仮面をはずせないという意味では、東電会長の勝俣や前社長となった清水正孝もリッパな「社畜」であると、佐高は書いている。

また、元福島県知事の佐藤が書いた書籍の中にも東電と官僚のやり口の汚さは書かれている。
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