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16 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
おとなのファンタジー,
By てふてふ (福岡県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 雷桜 (角川文庫) (文庫)
感動のために読後虚脱感にとらわれる本はめったにないが、久々にそれを味わった。この作品は、宇江佐作品にはめずらしく、田舎の野山が中心の舞台となっている。 しかも、愛し合うふたりが、山で育った「狼女」とお殿様、それも将軍の息子という、 実に極端な設定。 入ってはならない山という舞台設定が、ファンタジーの世界へ一気に転換させてくれ、 ありえない出会い、純愛を納得させてくれる。その力量はさすがである。 実は山の情景や遊の生活の描写には少々不満も残った。動物や、桜以外の植物が ほとんど登場しないし、遊と親父様は山に潜んで暮らしているというのに、獣を 捕らえて食べるでもなく、木の実・山菜を主食とするでもなく、畑もつくらない。 炭を売って里から食料を仕入れるとだけしか書かれていないのはちょっと不自然に 感じてしまう。山のにおい、山の音がいまひとつ立ってこない。 しかしながら、事の起こり方の必然性、人物の活写、気を逸らせずぐんぐん引っ 張っていく展開など、気持ちよく乗せられていく力強い舟といった感じで、忘れら れない一書となった。
6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
胸を打つ,
By ゆこりん (北海道) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 雷桜 (角川文庫) (文庫)
藩や人のさまざまな思惑。それらが遊の運命を変えました。それは不幸な出来事でしたが、一方で遊をおおらかな性格にしました。身分や立場にこだわることなく誰とでも平等に接する遊。遊のそういうところを愛した人は・・・。人が人を平等に愛せたらどんなによかったことか!凛として、自分の信念や愛を貫こうとした遊のその姿は、どこか痛々しささえ感じます。逆らえない運命の中に身を置くしかなかった遊。「雷桜」と呼ばれる桜の運命と、どこか重なる彼女の数奇な人生は、読む人の胸を打ちます。
32 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
切ない恋の話です。,
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レビュー対象商品: 雷桜 (単行本)
本作は庄屋の娘として生まれたものの、1歳の誕生日の直前に藩の陰謀によって“かどわかし”にあって波乱の生活を過ごしその後帰郷、運命に翻弄されながらも信念を貫いたヒロインお遊の悲しくも切ない話である本作は通常の“身分違いの恋”という単純な話ではない。 実らなかった恋であるが、ひとときだけでも幸せを燃焼つくした2人はきっと幸せであったと信じたい。 信念を曲げずに生き抜いた“お遊”に拍手を送るとともに助三郎という宝物の幸せを祈らない読者はいない。 助三郎の出生を産みの父親に話さずに身内の“胸の内”に仕舞っておいたストーリー展開は素晴らしいと思った。 是非この作品を読んで恋の切なさをあなたの“胸の内”に仕舞っておいて欲しいと思う。
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