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雷撃のつばさ―海軍下士官空戦記 (光人社NF文庫)
 
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雷撃のつばさ―海軍下士官空戦記 (光人社NF文庫) [文庫]

世古 孜
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

情け無用の大空の墓場で、若き搭乗員は何を見、いかに戦ったか―計算されつくした冷静な読みと、強靱な意思、平常心をもって、凄まじい対空砲火をくぐり敵艦に肉薄し、雷撃する―若者のその不撓不屈の精神は、どこから来たのか。戦後四十年の醸成の時間をへて、初めて綴られた天山艦攻搭乗員の感動の手記。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

世古 孜
昭和16年5月、第16期乙種飛行予科練習生。同年7月、三重海軍航空隊。18年5月、第32期飛行練習生、同年11月卒業、鹿屋海軍航空隊(艦上攻撃機)配属。同年12月、築城海軍航空隊開設に伴い移動。19年4月、攻撃252飛行隊として美幌基地へ移動。同年7月、占守基地へ移動。哨戒、索敵、輸送船護衛に従事。同年10月12日、台湾沖航空戦参加のため鹿屋へ移動する。14日出撃、18日、クラーク・フィールドへ進出。同日、南方第16軍陸軍病院(セブ)入院。20年1月、退院後、セブ基地へ仮入隊。同年3月26日、セブ基地を離陸、シンガポール第3航空艦隊司令部付。21年2月、復員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 334ページ
  • 出版社: 光人社; 新装版 (2003/12)
  • ISBN-10: 4769821565
  • ISBN-13: 978-4769821564
  • 発売日: 2003/12
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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本書は、以下の3点に特色がある(と思う)。

まず、艦上攻撃機の搭乗員の手記である点。戦闘機搭乗員の手記は、坂井三郎など有名なものが多い。それに対して、機動の地味な艦攻乗りが機上で何を思い、散って行ったかを伝える記録は、案外と少ないであろう。
著者は天山に乗っていたが、本書のかぎりでは、天山だから、というような違いは、あまりない。ただ、飛行機に詳しい方ならおわかりのように、天山が前線に配備された時期は、すでに日本が下り坂になっているので、本書も当然ながら、華々しい勝利絵巻ではない。

つぎに、著者がキリスト教徒であったこと。当時の日本海軍において、信仰を告白した兵士がどのように扱われていたかを知ることができる。今から考えると意外なほど、公正に取り扱われていたようである。

さいごに、特攻攻撃に対する著者の思いである。著者が特攻に志願したり出撃を命じられたわけではないが、戦友の出撃を送るまでの数日の記録に、著者の特攻への考え方を託している。初めて特攻が企画されたフィリピン方面作戦の時期で、特攻という言葉すら前線の将兵が知らなかった時期である。そういう攻撃方法の存在を知らされた日本軍将兵の驚きぶりも、克明に描かれている。

本書では、著者の参加した敵機動部隊攻撃が、都合3回ほど記されている。
敵の熾烈な対空砲火をかいくぐって、次々に味方機が火を吹く中を、超低空で敵に迫る場面は、読んでいる方も尻がむずがゆくなってくる。
そして、たった1回の攻撃での損害率の大きさに、読者は驚かれるであろう。
悲といえば悲、壮といえば壮である。

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台湾沖航空戦に参加して生き残った艦上攻撃機搭乗員の手記。虚報に終わった大戦果や、その後の上層部の混乱、錯綜する命令などなど海軍の凋落振りが淡々と語られている。無造作に集結させた百機あまりの航空機を、たった二機の敵戦闘機によって破壊されてしまうくだりは海軍上層部の無能さを如実に物語っているように思う。筆者自身の食料倉庫でのギンバエ(盗み)体験に触れられているのはちょっと面白い。
なお本書は同名の単行本を文庫化したもの。
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