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零度のエクリチュール 新版
 
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零度のエクリチュール 新版 [単行本]

ロラン・バルト , 石川 美子
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

バルトはここから始まった。無名の批評家を一躍フランス文学界に登場させた書物の生成過程を明らかにし、精妙な註を付した、オリジナル版からの明晰な新訳。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

バルト,ロラン
1915‐1980。フランスの批評家・思想家。1953年に『零度のエクリチュール』を出版して以来、現代思想にかぎりない影響を与えつづけた。1980年2月25日に交通事故に遭い、3月26日に亡くなった

石川 美子
1980年、京都大学文学部卒業。東京大学人文科学研究科博士課程を経て、1992年、パリ第7大学で博士号取得。フランス文学専攻。現在、明治学院大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 159ページ
  • 出版社: みすず書房; 新版 (2008/4/18)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4622073803
  • ISBN-13: 978-4622073802
  • 発売日: 2008/4/18
  • 商品の寸法: 19 x 13.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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17 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By アマゾン三郎 VINE™ メンバー
形式:単行本
 わたしは学生時代からずっとロラン・バルトを読んできて、ほぼ全ての彼の著書を読みました。この本はバルトのいわば処女作となります。翻訳としては、わたしが知る限り、既に二つ存在します。わたしはそれらを読んで、バルトの『零度のエクリチュール』を完全とはいいませんが、理解したつもりでいました。しかし、この(つまり石川美子訳)を読んで、しっかりと理解していなかったと痛感しました。つまりこの新訳は、それほどすばらしく、明晰で、注も必要にして十分です。また、解説(バルトがどのようにして登場したのか、つまりフランス文学界にどのようなかたちでデビューしてきたのか、その資料)もきちんと盛り込まれています。
 まあ、唯一残念なことをのべるならば、みすず書房から出版されていた以前の『零度のエクリチュール』には付録(だがこちらの方がページ数が多い)として、バルトを記号学の先駆者ならしめた『記号学の原理』が、存在しません。
 このことに関しては、是非、石川美子訳で単独で、『記号学の原理』がみすず書房より出版されてほしいものです。
 記号学(記号論)はも早時代遅れのものと思われている人もいられるかと思いますが、少なくともわたしは、(竹田氏が、「現象学は思考の原理」と申されているように)、「記号学は世界を読み解く人間の原理」であると思われます。
 戻りますが、本書は誠に名訳です。新旧を読み比べてみるのも何かの役に立つのでは。
このレビューは参考になりましたか?
8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
私が30年前、卒論を書くためにこの本の原書と悪戦苦闘していたとき、参考にした翻訳はあまりいいものではありませんでした。今と違ってフランス語の辞書もたいへんお粗末でしたので、ボードレールの翻訳には使えても、構造主義や記号学などの文献の読解にはまるきり役立たずした。それから比べると最近の人はうらやましい。研究が進んだせいか、構造主義もポスト構造主義も、読んで意味のわかる訳(!)が増えてきました。中でもバルトは日本でも人気があるのか、著作集まで出版されています。こんなに人気が長続きする批評家だとは思っていませんでしたので、うれしいかぎりです。
本書はバルトのデビュー作です。執筆当時バルトはトロツキスト系のマルクス主義者で、スターリン主義者と対立する関係にありました。本書は硬直した社会主義リアリズムを批判して、プルーストやフローベールなどのブルジョワ作家の革命性をあきらかにしようという目的で書かれています。
またバルトはこの本を書いた後、テアトル・ポピュレールを中心としたブレヒト劇の上演に加担していくわけですが、すでにこの書ではブレヒトの演劇理論に影響されたあとが読み取れる。とくに冒頭部、文体とエクリチュールの区別するあたりにはっきりしています(バルトを深く理解したい方はブレヒトの演劇理論についても読んでおくことをお勧めします)。周知のように、このエクリチュール+ブレヒト演劇の方向にそって彼の記号学が、またテクスト理論が展開されていくわけです。
彼は大衆化社会の民衆、今の流行で言えば「マルチチュード」の視点から小説や写真、ファッション等のカルチャー現象を読み解きました。その一貫した態度が、今日もつづく彼の人気の秘密なのでしょう。その点でいえばこの本はまさしく彼の原点であるといえます。
この本を読めばすぐ彼の本質がわかるという本ではありません。本当に理解するにはさまざまな予備知識が必要です。しかし彼の高い倫理性が最もよく現れている本です。その意味ではバルトファンなら一度は読むべき本だと思います。
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