私の場合、原作がそもそも難解であることを重々承知のうえで、
難解な原作を、ストローブ=ユイレがどう映像化したのかという点に
興味をもち、今回DVDを購入し鑑賞しました。
鑑賞してみて・・・。
原作に負けず劣らず、あるいは原作以上に映画も難解で、
一体、この映画で監督が何を表現したいと考えたのかが
凡人のわたしにはほとんど把握できませんでした。
唯一、感心した点を挙げるとするならば、
役者たちが、長く、難解な台詞を、きちんと暗記して、
噛みもせず、つまりもせず、間違いもせずに
ほとんど原作に忠実な対話を繰りなしている点でしょうか。
この映画は、チェーザレ・パヴェーゼの、
27編の神話的対話を集めた『レウコとの対話』をベースにしており、
そこからいくつかの編がピックアップされています。
映画の中で、対話者二者の動きはほとんど無く、
二者の目線が重なりあうこともありません。
ただ淡々と、神話的で、詩的な響きをもつ対話のみが、展開していきます。
原作を知っていてさえ難しくて退屈だったのに、
もしも原作を知らないままに観たなら、
誰と誰が、どういう背景、どういう状況下で
対話をくりなしているのかすらわからなかったはずですので、
ますます意味不明だったことでしょう。
ストローブ=ユイレの作品が好き!という方には
たまらない作品なのかもしれませんが、
その他の方には、あまりお勧めできません。
逆に、退屈で難解で、静かな映画を見たい方にはお勧めです。
映像は綺麗でした。