大賞受賞作者の三作目
前二作と同じく今回も作者の特徴とも言える幻想的な題材のお話です。
物語自体についてはご都合すぎる箇所はありますがとてもいいと思います、
ただ題材に取り上げたものを書き切る筆力が足りない印象が物語が進むにつれどんどん出てくる上
それぞれを書けば到底一冊では収まらないボリュームの題材をとにかくもりこんで居る為誰が主人公なのか?
物語の山場はどこなのか?判別が付かないお話になってしまっていると思います。
具体的なところで言えば今までの生涯を剣に生きてきたアルテシアと叔母であるのに剣技に付いて、
刀剣の扱い等戦闘描写技術描写が全くと言っていいほど言及されない。
そのため連呼される『雪蟷螂』のフレーズが空々しいものになってしまってるように感じます。(女の剣使い、情の深い女の二つの印象がついてこそ生きてくるものだと思うので)
雪国としての生活の厳しさを感じ取れるような描写も少なく『そういう設定がある』以上に感じ取れません。
特異な民族性を題材にしているのに民族衣装など服装の描写もほんとうに少なく物語りに入り込むための障害になっていると思います。
良くあるRPG的な中世世界等を安易に題材にしない作者だけにその世界を想像するための描写がほしいです。
上でも上げたとおり本来丁寧に書けば一冊では終わるはずのないお話であったと思うので今後は無理に一冊で終わらせず分冊してでも緩急の付いた完成度の高い作品を期待したいです。(MAMAでも同じことを思いました)