本書は1939年11月末から翌年3月まで行われた第1次ソ・芬戦争、
いわゆる「冬戦争」の始まりから終わりまでを描きます。
「Model Graphix」誌上の連載をまとめたもので、当時は私も
フィンランド兵たちの激闘をハァハァしながら読んでおりました。
残念ながら冬戦争について日本語で読める本は限られており、
…というか、この本を入れても数冊です。
作中では実際に戦闘へ参加された方の日記・手記から引用した細か
い戦闘描写がこれでもかと続き、間に大局の動きが入ります。
迫り来る赤軍大戦車部隊を相手に、火炎瓶や収束手榴弾、そして
根性(最大の武器)で頑張るフィンランド兵の姿には涙を禁じ得ま
せん。また、組織のへっぽこぶりから雪降り積む森の中で次々に
凍死していく赤軍兵士の姿は哀れを誘います。戦争って空しいね。
ビジュアル面でも貴重な写真がてんこ盛り。B級、C級兵器大集合と
いったところでたまりません。多砲塔戦車スキーな俺歓喜。
世のマイナー兵器マニアならぜひ御一読を。
あえて注文するとしたら…あちこちに引用をそのまま突っ込んであ
るので戦いの流れが掴みにくい、地図がないので敵味方の位置関係
がよくわからないといったところでしょうか。
まあそれはそれとして、マイナーな戦争の戦記物としては、上々の
部類に入ると思います。
「いざとなったら、どれだけ正義がこちらにあろうと誰も助けてく
れない、自力で頑張るしかない」という、国際社会の冷酷な
(当たり前の)現実を知るための一冊といえましょう。