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50 人中、50人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
"良心の囚人"の悲劇と闘い,
By kaz_a_daichi (東京都江戸川区) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 雪の下の炎 (単行本)
31年――何の年月かによってそれが長いのか短いのかは変わろうが、それが「獄中にいた期間」となると、「長い」ということになるだろう。しかもその人物は政府の思想に従わないという理由で拘束され、服役期間を度々延長され、釈放されたかと思うとまた拘束されてきた"良心の囚人"だった。それを考えると余りに長すぎると言わざるを得ない。1959年、政治犯として獄中に繋がれた彼は、侵略国当局の執拗な拷問を受け、"思想改造"を迫られる。チベット人がチベット人を虐げるという悲劇さえ繰り返された。 同書には彼のみならず、その他チベット人の"良心の囚人"の悲劇が幾つも記されている。 しかし、彼の思想は決して"改造"させられることはなかった。 「人間の肉体ははかりしれないほどの苦痛にも耐えることができ、しかも回復する。傷は癒える。だが、精神が挫けてしまったら、すべては壊れてしまうのだ」 鋼のような強靭な精神力――これが彼に生きる力を与えてくれていた。彼だけではない。侵略国当局が抑圧すればするほど、チベット人を分断しようとすればするほど、政治囚たちは反発を強め、団結を固めていく。力と脅しによる抑圧で仮に土地を支配できたとしても、人の心と誇りは支配できないのである。同書はパルデン氏の悲劇の人生を描き、侵略国当局の悪逆非道さ、抑圧による人権無視の支配のむごたらしさと虚しさを訴えるものであると同時に、そうした数多くの"良心の囚人"たちの群像劇でもある。 釈放後もパルデン氏の闘いは続く。インドに亡命し、力による抑圧に対する言葉による反撃が始まったのだ。同書を世に出したのもその一環である。 先述したように、侵略国の抑圧に抗う"良心の囚人"は彼だけではない。彼が去った後の獄中でも、自由を求める闘いはなおも続いているだろう。 "雪の国"チベットで自由を求める熱い思い――「雪の下の炎」は消えることはない。
40 人中、40人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
絶望と勇気と,
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レビュー対象商品: 雪の下の炎 (単行本)
人間は他者に対し、これほどまでに残酷に、無慈悲に、卑劣に振るまえる生き物であり、またこれほどまでに強靭な精神と利他的な心を持ち続ける生き物でもある、ということを示してくれる本だ。読み進めているうちに深い絶望を感じずにはおられないが、パルデン氏のこの書籍の底辺に流れているユーモアと楽観主義....悲惨な獄中の中でも決して屈することなく、助け合い、戦い続ける多くの囚人達の行動に驚かされ、逆に読者の方が勇気づけられるのだ。この本の原書が英国で出版されたのが1997年とのことだが、その後もチベットの状況は悪化する一方であり、1933年生まれのパルデン氏は2009年の今も精力的に世界中をまわってチベットの実情を訴え続けていらっしゃるそうだ。その強靭な精神と肉体に、ただ尊敬の念を抱かずにはおられない。 前半の、パルデン氏のチベットでの幼少時代の情景は、みずみずしい色彩に溢れ、美しい。
35 人中、35人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
衝撃の自伝という言葉がぴったり,
By ドミノ (名古屋市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 雪の下の炎 (単行本)
帯に「衝撃の自伝」と書いてありますが、本当に衝撃的なので、グングン引き込まれていきます。最終章のあたりは、読んでると 勇気が出ます。 現在進行形で起きている深刻な問題なので、出来るだけ多くの方に 読んでほしいと思う一冊です。
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