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雪が降るまえに
 
 

雪が降るまえに [単行本]

アルセーニー タルコフスキー , 坂庭 淳史
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

「銀の時代」最後の詩人・アルセーニーの言葉の延長線上に拡がっていた世界こそ、まさに息子アンドレイ・タルコフスキーの映像作品の原風景そのものなのだ。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

タルコフスキー,アルセーニー
1907~1989。エリサヴェトグラード生まれ。1920年代にモスクワの高等文学コースで学び、新聞やラジオの仕事に携わる。第二次大戦中に従軍記者として前線に赴いたが、負傷して片足を失う。1946年、印刷準備の進んでいた彼の最初の詩集は、いわゆる「ジダーノフ批判」の影響で頓挫、ようやく1962年に詩集『雪が降るまえに』が刊行された。十九世紀ロシアの詩人チュッチェフやフェートの伝統を受け継ぎながら、アフマートヴァら二十世紀のアクメイズム詩人たちとも近い詩風を持つ。また、カフカースや中央アジアの諸民族の詩の翻訳者としても知られている

坂庭 淳史
1972~。東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。早稲田大学文学部助手を経て、現在、早稲田大学文学学術院、専修大学経済学部非常勤講師。専攻はフョードル・チュッチェフを中心とする十九世紀ロシア詩・思想、比較文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 282ページ
  • 出版社: 鳥影社 (2007/07)
  • ISBN-10: 4862650805
  • ISBN-13: 978-4862650801
  • 発売日: 2007/07
  • 商品の寸法: 18.8 x 13.2 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 500,224位 (本のベストセラーを見る)
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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
アンドレイ・タルコフスキー監督の父親、としてしか知られていなかった詩人の全体像がやっと日本語で読める。うれしい。この次は、イタリア文学者にベルトルッチ監督のお父さんの詩集を出して欲しい。

黄色い舌をゆらめかせ
蝋燭がゆっくりとけて流れてゆく。
そうやって僕たち二人もいきているね、
魂は燃え、肉体は溶けゆく。
このレビューは参考になりましたか?
4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 西岡昌紀 VINE™ メンバー
形式:単行本
 私を含めた多くの日本人は、この詩人を、『アンドレイ・ルブリョフ』や『ノスタルジア』、『サクリファイス』などで知られるロシアの映画監督アンドレイ・タルコフスキー(1932〜1986)の父親として、そして、彼の映画でその名と詩が度々登場した詩人として知った筈である。映画監督タルコフスキーにとって、父の詩がいかに重要な意味を持って居たかは、例えば、この本に収められた以下の詩から伺える。
−−金色の小鳥のように暗がりにふるえる炎、すぐにマッチは僕の両手の中で燃え尽きるだろう。どうやら、そんな、僕には永遠に愛しい青い小さな心が、その炎に宿っている。そしてこのゆらめく光のもと、たとえそれが両手から落ちても、僕はひとつのしるしをたよりに、まわりのすべてを知るだろう。残念だ、蝋燭も、マッチももうない、小さな煙の輪へと巻きゆく黄色い光。楽しみもない、まばゆさもない、ほんのわずかなあいだだけれど、僕への贈り物となる最後の炭のかけら。おお、僕が詩にともした一瞬の焔(ほむら)が儚いマッチにおとらず、君に喜ばれて生きたなら!(本書70〜71ページより)−−
 映画『ノスタルジア』を観た人なら、この詩が、『ノスタルジア』の最後で主人公のロシア人が蝋燭を手に持って死を迎える場面に符合する事に気が付いて、驚く筈である。これは息子が父の詩にいかに傾倒して居たかの一例であるが、私達は、この詩人を、最早、アンドレイ・タルコフスキーの父としてではなく、独立した存在として知るべきである。本書を推薦する。

(西岡昌紀・内科医)
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8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By デルスー VINE™ メンバー
形式:単行本
言わずもがなのことだが、この詩集を手に取ったりする人は、
まず間違いなく映画監督アンドレイ・タルコフスキーに相当入れ込んでいて、
『鏡』やその他の映画で繰り返し引用される父アルセーニーの詩を
一度はきちんと読んでみたいと思っていたはずだ。
私もその例外ではなく、この詩集を見つけた瞬間に迷わず買ってしまった。
まだ若い訳者に感謝したい。

マヤコフスキーやフレーブニコフといった、
ロシア革命を彩るきらびやかな前衛詩人たちに比べると、
その後に続く時代に書かれたタルコフスキーの詩にさほどの難解さはなく、
むしろ古典的な叙情性を感じさせるとはよく言われることだが、
訳者のおかげもあってか、この詩集に収められた作品はいずれも
まず日本語として美しく、息子アンドレイの映画からは独立した
アルセーニー独自の世界を感じさせるものに仕上がっていると思う。
(もちろん、引用の元になった詩を探して楽しむことも可能だ。)

また、本書において、註の存在を示す印が本文中に記されずに、
各々の詩篇の末尾にまとめられていることにも、訳者の配慮を感じた。
通常、思い入れが深ければ深いほど註が煩雑になり、
本文が記号だらけで読みにくくなってしまいがちなものだが、
読者の皆が皆、研究者というわけではないのだから、
もう少し、独立した詩として読めるものにしてほしいと思ったり、
注釈者の独占欲みたいなものが感じられて、
いささかげんなりしてしまったりもすることも多い。
本書の方式は、他の訳者や注釈者にもぜひ採用してもらいたいと思う。
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