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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
映画化希望,
By たおる (神奈川県川崎市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 雨 (新潮文庫) (文庫)
数ある井上戯曲の中でも、もっとも映画化に向いていると思われる作品です。冒頭、男たちが江戸の橋の下で雨宿りしている場面は、黒澤映画の「羅生門」を連想させます。 主人公の徳は、同じ場所で雨宿りしていた男の話から、自分が行方不明の金持ちに瓜二つだと知ります。 その金持ちは東北の紅花問屋の当主なのですが、くず拾いの徳は、彼になりすまして楽な暮らしをしようと考えます。 「太陽がいっぱい」のアラン・ドロンは、モーリス・ロネになりすますために声をまね、サインをまねる練習をしましたが、徳の場合は江戸弁を捨てて東北弁をマスターすることがカセになります。 彼が方言を学ぶ過程がよく出来ていて、ふんだんに笑わせるとともに、別人だとばれるのではないかとハラハラさせます。 徳の過去を知る人物が訪ねてきたり、いろいろな波乱のあと、ひじょうに見事なラストシーンを迎えます。このラストの衝撃は「太陽がいっぱい」以上かもしれません。 舞台で何度も再演されていますが、観劇の習慣のない人にもぜひ読んでみてほしい傑作です。
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