設定や絵柄のストライクゾーンは広いつもりだったのですが、ちょっとここまではっきりハズレを引いた気分は初めてでした。
それが作風だと言ってしまえばそれまでなんでしょうけど、本当にトーンもなく下書きにそのままペン入れただけなの?と言いたくなるような仕上げでビックリしました。
ただそういうモノトーンの作風でも本当に巧い人は巧いもので、紙面からなんともいえない雰囲気やセンスを感じられることもあるので、レビューからもそれを期待して購入しました。しかし、さすがにもうちょっと丁寧に仕上げられていた中身を想像していました。
影の使い方などを見るに、この絵柄は繊細に画面を考えられているという様子ではなく、大雑把にそれっぽく見えるようにしているだけなんじゃないかなと。背景も描き込みが足りなさすぎる。
カラーも水彩っぽくされるなら、もっと陰影や濃淡を考えた工夫が欲しかったような…
内容も全体的にぼやっとしていて、雨などの「雰囲気」だけで人物や流れを引っ張って話を成立させようとしている無理さを感じるばかり。
人物の表情に動きがなく、キャラクターの心情がなかなか伝わってこないので(背格好や着ているアイテムで特徴づけなければキャラクターの見分けが難しい)、淡白なストーリーがさらに希薄なものに感じられてしまいました。
せめて他に何か光るものがあればと何度か読み返していたのですが結局「このストーリーやキャラの関係性では心に残るものがない」とはっきり分かってしまった始末。あとは本当に絵柄の好みしだいになると思います。
漫画として買って内容を読んだ価値があったかどうかを考えたら、これは値段そのまま損したような気持ちでした。