骨董屋「雨柳堂(うりゅうどう)」の店主の孫、蓮(れん)が関わる不思議話を描いたこのシリーズ。先の第11巻が刊行されてから、およそ二年ぶりの最新刊だあ。「よっ! 待ってましたー」とばかり、早速手にとって、あっという間に読んでしまった。
「金魚白昼夢譚(きんぎょはくちゅうむたん)」「柘榴石(ざくろいし)」「犬筥(いぬばこ)」「花酔いの季節」「百物語の夜」「禍禍しい(まがまがしい)もの」「風にのる」「匏翁(ふくべおう)」「菖蒲(あやめ)のころ」の、全部で九つの話を収録しています。
馥郁と香る艶麗な絵のたたずまい、雰囲気のある不思議話の雅趣、ふっくりとしてあたたかな掌篇の手触り。相変わらず素敵で、今回も堪能させていただきました。おしまいの三篇、「風にのる」「匏翁」「菖蒲のころ」が、格別の味わい。魅了されましたねぇ。
ところで、巻末の「雨柳堂裏話」と「日日平安」を読んで、このシリーズが今後どうなるのか、とても心配になりました。そう言われてみれば、前巻までと本の発行所が微妙に違っているんですよね。毎度、このシリーズを楽しみにしているファンのひとりとして、「どこぞに移転しても、雨柳堂の店を続けていってくださーい」と、祈る気持ちでおります。
どうか、本書の続きが読めますように。