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雨月物語 (ちくま学芸文庫)
 
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雨月物語 (ちくま学芸文庫) [文庫]

上田 秋成 , 高田 衛, 稲田 篤信
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 1,470 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

独創的な幻想が綾なすファンタジックな世界―この幻想空間を描いて他の追随をゆるさない上田秋成『雨月物語』。それは、中国白話小説の用字や修辞を巧みに活用し、芸術的香気ただよう文章のうちに、主人公たちとその運命の悲劇的な情念世界をみごとに造形化した。貞女宮木、悪霊磯良、蛇精真女児らの悲しい運命を、作者の夢想的稟質と自覚的な方法が知的で美しい幻想小説に織りなしていく。この『雨月物語』の世界を、読みやすい本文とともに、語釈、現代語訳、さらには鋭角的な評を付しておくる。「訳注日本の古典」シリーズの決定版。

内容(「MARC」データベースより)

父もなく、実の母にもすてられた四歳の仙次郎(のちの上田秋成)は、紙と油問屋の嶋屋の養子となり、家業をついだもののどうしても商人になりきれなかった。上田秋成の「雨月物語」ができるまで、と夢応の鯉魚などをコミックに。 --このテキストは、 単行本 版に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 512ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (1997/10)
  • ISBN-10: 4480083774
  • ISBN-13: 978-4480083777
  • 発売日: 1997/10
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.4 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 130,798位 (本のベストセラーを見る)
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15 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By まる・ち トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫
 怪異小説の祖として期待にたがわぬ楽しめる作品だった。こじんまりとした短編集であることが意外だった。怪異は色々あるが、人間の情が一番怖いというのは現代にも通じるところだ。
 本書は原文一節ごとの「読み下し文」に、語句の解説である「語釈」、原文全体の「現代語訳」、そして引用されている原著の紹介や、時代背景、文章や創作上のポイントなどを解説する「評」が繰り返される構成になっている。手っ取り早く現代語訳だけ読むこともできるし、一節ごとに読み下し文を味わうことも可能だ。
 現代語を読んでいても、評の指摘を確認するために原文や語釈に戻ることもあって、勉強になるなと感じる構成である。特に、校注者が繰り返す、作者の文章のうまさは、原文に戻って読まないと分からないが、これが結構楽しめた。解説がこれまた面白くて、古典の授業では得られなかった感覚だ。
このレビューは参考になりましたか?
21 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By カスタマー
形式:文庫
幻想溢れる上田秋成の短編集。しかもただの短編集ではなく、各短編は何らかの形で繋がっていて、円環状の構成になっています。江戸時代に書かれたとは思えない位前衛的な作品でしょう。文章は味わいがあって奥深く、卓越したストーリーテリングで読者を飽きさせません。本当に古さを感じさせません。古典の凄さです。
このレビューは参考になりましたか?
13 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 紫陽花 VINE™ メンバー
形式:文庫|Amazonが確認した購入
当時の国学の権威、本居宣長の皇国史観を真っ向から批判した合理主義者の秋成。その秋成が描いた妖美な怪談「雨月物語」。そのギャップが私には謎だったのだが、本書を読んで少し理解できた気がする。

冒頭の「白峰」では大魔王崇徳の御霊が登場し、呪詛の念を吐く。ここまでは"能"そのものである。秋成の工夫は、公憤を唱える崇徳に対し、御陵を訪れた西行が理を説く点にある。西行の理を認めながらも私憤に取り憑かれた崇徳の姿は業である。即ち、理と業の対比がテーマ。次作「春菊の約」は中国の書をベースに"義"を描いたもの。こちらも霊が出て来るが怪談とは思えない。著名な「夢応の鯉魚」は離魂譚だが、怪談と言うよりは諧謔味溢れる寓話である。「仏法僧」には秀次の霊が出て来るが、主題は高野山(空海)に象徴される仏教へのアイロニー。中篇「蛇性の淫」にようやく妖怪(蛇神)が出て来るが、ここまで来ると作品の意匠が現代人には分かり易い。最終作「貧福論」は完全な富貴論。しかし、秋成は女性にはだいぶ手を焼いたようだ。

どうも怪談と捉えるのは先入観で、"霊の出現"は一種の様式美と考えられる。各作品は史実や古書をベースに、秋成の思想に合わせて理知的に再構成されたものと言え、芥川の先鞭を付けた感が強い。秋成の感覚が数百年進んでいたと言える。一種の教養小説を書く意図があったようにも思われる。怪異な味付けは全編を貫く糸であろう。各編のエピソードが重層的に繋がると言う世評だが、作品間で濃淡がある。日中の古典・故事を踏まえ妖異な味付けで人間模様の機微を描き出した、近代文学の遥かな祖と言える短編集だと思う。なお、現代語訳兼注釈者の高田氏は日本怪異学の権威だけあって、その解説も楽しめる。
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