以下は、ネタバレ注意です。
失ったものの大きさに比べて、10年という年月は短すぎるのだろうか?それとも、目の前に現れた新しい彼女は、過去の想い出を断ち切れるほどの存在では無かったのだろうか?
おそらくは、その両方なのでしょう。
互いを補完しあえる存在であることがパートナーの理想だとすれば、事故でなくした元彼女こそが、男にとって最高のパートナーだったのだろうと、新しい彼女である主人公は気づいてしまうのですね。
それは、彼の行動の端々に表れていました。絶やさずに部屋に飾っている花を、花束で持ち帰ってきた彼を見た瞬間、それは決定的となったのです。
彼の視線は、未だ過去を向いており、自分は「元彼女」の代役でしかなかったことが・・・。
亡くなった人に勝てるはずがないのです。だからこそ、現実の世界なら、「私の方を向かせてみせる・・・」となるはずですが、そこで身を引いてしまう「せつなさ」こそが、この物語の核心でしょう。
3年後の再開では、「私のこと好きだった?」とのストレートな質問をしますが、曖昧な笑顔でしか返せなかった彼を見れば、自分の判断は正しかったのだと悟ったことでしょう。結局、二人は似たもの同士であり、補完し合う「めおと」にはなれなかったであろう事を。
主人公が、この後、キャリアウーマンの道を選ぶのか、新しい恋を見つけるのかは誰にも分かりませんが、水たまりを飛び越えたシーンは、ようやく新しい一歩を踏み出せたことを伺わせます。
なお、主役の田波さんですが、スタイルのいい人だなぁ・・・と思ったら、カリスマモデルさんでした。なるほどです。こんな素敵な人に、一途に想いを寄せられたら、たいていの男性は過去を忘れられると思います。
「いいよ」とか、「ないよ」って、短い言葉で答えるときの甘い声がとってもチャーミングですし、控え目な性格も、荒野に咲く一輪の花のようで、男なら放っておけないタイプなんですけどねぇ・・・。
そうそう、つくづく、親友のたえ子が男だったらなぁ・・・と思います。前向きであっけらかんとしているように見えて、親友が胸の奥に秘めた悩みに、さりげなく気づいているんですね。たえ子は・・・。