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13 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
さすがに好調レヘインの最新作,
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レビュー対象商品: 雨に祈りを (角川文庫) (文庫)
本編に登場する精神科医に「ホモセクシャルの要素を抜いた『明日に向かって撃て』のブッチとサンダンスってとこかしら」などと評されるパトリックとアンジーのシリーズも五作目になった。さすがに脂がのっているデニス・レヘインだけあって、ミステリとしての展開、意外な結末、重厚なテーマが一体となった読みごたえのある秀作となっている。ストーカーに困っているという若い女性カレン・ニコルズの依頼をうけてパトリックは彼女を助ける。しかし、わずか半年後に彼女は投身自殺を図ってしまう。この半年の間に、フィアンセが事故で植物人間になり、職場を失い、住むところもなくなるという不運に彼女は遭遇していた。単なる偶然なのか、それとも誰かの悪意が潜んでいるのか、パトリックが調査をすすめるうちに、一人の人物が浮かび上がってくる。しかしその時、パトリックの周囲にも恐ろしい魔の手が伸びていた・・・。 はじめは、謎の犯人に守勢にまわるパトリックとアンジーだが、やがて攻勢に転ずるあたり、読者も一緒になって溜飲を下げる気分で、さすがにここらのツボはしっかり押さえてある。事件が解決したと思われた後に明かされる真相と結末もレヘインらしい余韻がある。 デニス・レヘインの本の基本的なテーマは人間の心に巣くう悪意と暴力だと思う。本書でもごく普通の女性カレン・ニコルズを自殺に追い込む犯人の手口は悪辣で、読んでいる方が思わず引いてしまうところがある。全編を通じて暴力に匂いがふんぷんとするところがあって、おもしろいことに間違いはないが、好き嫌いが分かれるのはここらあたりかもしれない。 にもかかわらず最後まで読みとおせるのは、パトリックとアンジーの守護神ともいうべきブッバ・ロゴウスキーの存在が大きい。どこか存在自体がユーモラスで、救いとなっている。本編では、なんと彼女ができるのだが、それ以上に兵士としての才能を発揮して二人を助けている。 訳者あとがきによれば、レヘインはこのシリーズを少し休む予定のようだが、ブッバだけでも他の作品に登場させて欲しいものだ。
7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
Prayers for Rain 星4つ半でも..,
By nnaoomi (目黒区) - レビューをすべて見る カレンに付きまとうストーカーを何とかして欲しいという。「お安い御用じゃん。」と引き受け 暴力大好きマッチョの相棒ババと強烈な脅しをかける。それはそれは恐ろしい脅迫で一気にストーカーは手を引いたかに見えた、が 服従したと思わせたストーカーの眼の奥に復讐の炎が燃えていた。ストーカー。日本では埼玉県桶川事件があったばかりだが警察という役所の対応には歯噛みするばかり。しかしこの二人にとっては「俺が法律!サイレンサー付きの22口径が警察!対話は暴力!まっかせなさーい!」の朝飯前の一仕事。かつてのマイク.ハマーか墓掘りジョーンズもかくありなんという荒々しさ.「おいおい!そこまでしなくても..」と思う反面 日頃のストレスを思わず発散している自分が恥ずかしい.この仕事,一旦は上手くいったかに見えたが。。。 関係者に話を聞くにつれパトリックが抱いていたカレンのイメージが大きく覆っていくようになる。カレンの恋人の死。事故なのか?仕組まれた殺人か?そしてパトリック自身の周囲に次々と起こるストーカー事件。犯人は?アンジーとの再会。等々めまぐるしい展開に目が離せない. 英語の名前は頭に入りにくい.日本の文庫の表紙裏にあるような人物紹介があるといいなあ!と思うのはワタシだけか? とにかく,物語が進むにつれ犯人に対する憎しみが膨れ上がる.それはパトリックもババもアンジーもそして当然ワタシもである.「ヤッテマエー!」って気分になってしまう.まさしく高倉健,唐獅子牡丹の世界である.面白い!っが 疲れる.
2 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
<探偵パトリック&アンジー>シリーズ屈指の極悪人,
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レビュー対象商品: 雨に祈りを (角川文庫) (文庫)
“ボストンの鬼才”デニス・レヘインによる、<探偵パトリック&アンジー>シリーズの第5弾。’02年、「このミステリーがすごい!」海外編で第11位にランクインしている。ひとりの若い女性が、全裸で身を投げた。彼女の名はカレンといい、パトリックが半年前ストーカーの被害から救ったひとだった。裕福な家で大事に育てられた子女というイメージがあった彼女がなぜ・・・。投身自殺の背景を探るうちに、死の数ヶ月前から信じられないような不幸がカレンを襲っていたことがわかる。フィアンセが不慮の交通事故で植物人間状態となり、文無しになり、失業し、住む場所も失い、麻薬に手を出し、売春までして、最後には精神に変調をきたしていたのだ。 アンジーとのコンビを復活させたパトリックは、ふたりで事件の調査に当たるが、何者かがカレンを追い込み、破滅へと導いていたことを知る。その悪意は、やがてふたりにも襲いかかるのだった。 本書のテーマは、「人がその人生と幸せとを築き上げる土台を、ひとつひとつ壊していったら、人はどうするのだろう」とレヘインは言っており、カレンに代表される普通の人々がいかに崩壊していくかが、緊張感あふれる筆致で描き出されてゆく。そして人の風上にも置けないデモーニッシュな真犯人。 本書は、死人の数こそシリーズ中最も少ないが、悪の中でも最悪の部類の悪人が登場することで、シリーズの異彩を放っている。5作続いたこのシリーズも本書を持ってしばらく封印とのこと。これまでの事件で肉体的にも精神的にもはかりしれないダメージを受けたふたりの探偵の復活を祈って止まない。
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