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本書では、さまざまなタイプの難しい性格── 最悪の事態を考えてしまう「心配性」、人を疑わずにはいられない「妄想性」、いつでも注目されていたい「演技性」、完璧でなくては気がすまない「強迫性」、自分は特別扱いされて当然と思う「自己愛性」、ひとりでいるのが一番落ち着く「分裂病性」、間接的に反抗する「受動攻撃性」など── の特徴を明らかにし、彼らとの付き合い方を「したほうがいいこと」「してはいけないこと」の表にしてアドバイス。性格ごとに「自己診断表」がつけられ、読者自身の難しい性格度もチェックできる。
保険会社に勤める「心配性」の34歳の男性ジェラール、大企業に勤める28歳の男性ブリュノの同僚で「演技性」のカロリーヌ、流体力学を専門にする優秀な技術者で分裂病質のリュック、抑うつ性の31歳の公証人ティボー…。どれも生き生きとして人間味あふれる具体例は、さりげない日常をオシャレに描くフランス映画を見ているようだ。実際「映画や文学で登場する○○の性格の人々」の欄は、それぞれの性格に対するイメージをより鮮明にしてくれる。
350ページという分厚い本だが、「人間を観察する眼が確かで、優しさに満ちている」と訳者もいうように、著者たちの人間に対する温かいまなざしがどのページからも感じられ、気持ちよく読み進められる。同じ共著として『自己評価の心理学─なぜあの人は自分に自信があるのか』もある。(松本肇子)
ブックレビュー社
著者は精神科医。本書は家庭や職場で出会う「難しい性格」の人々と良好な人間関係を築くための指南書である。「難しい性格」を心配性、妄想性、演技性、強迫性、自己愛性など十数種類に分類し、章ごとにそれぞれの特徴を解説したうえで、こうした人々とうまくつきあうために「したほうがよいこと」「してはいけないこと」を明示する。
例えば心配性の性格の人は自分や近親者に危険なことが起こるのではないかと過度に不安を感じ、どんな些細なことも困ったことが起こらないように気を配る特徴がある。こうした人とつきあうには「自分が信頼できる人間であることを相手に示す」「物事を相対化して見られるように手助けをする」ことが大事であり、「相手の言いなりになる」「自分の心配を打ち明ける」といったことは避けるべきだという。
著者は「難しい性格」を天候に例え、「いつでもどこでも誰の前にも存在する。これに対して怒ってみても始まらない。悪天候や万有引力のような自然現象として、まずはありのままの形で存在自体を受け入れる必要がある」と説く。著者が治療に関わった事例も豊富に紹介されており興味深い。
(日経ビジネス 2001/04/16 Copyright©2000 ブックレビュー社.All rights reserved.)
出版社/著者からの内容紹介
いったいどうしたら彼らとうまくやっていけるだろうか?
精神科医のコンビが、本人や周囲の人の証言を交えながら、さまざまなタイプの〈難しい性格〉を平易に解説。それぞれの性格について、基本的な物の見方・考え方(思いこみ)を明らかにし、さらには相手の行動を変えながら関係をよくしていくために〈したほうがいいこと〉〈してはいけないこと〉を具体的にアドバイスする。
夫婦や親子、友人関係はもとより、上司-部下の関係、ビジネス上のつきあいにおいても大いに役立つ一冊である。
内容(「BOOK」データベースより)
内容(「MARC」データベースより)
出版社からのコメント
「あいつに振り回されるのはもうごめんだ!」と思いながら有効な手を打てないでいる方、誰かに苦手意識を持ちながら「まずい」関係をずるずると続けてしまっている方、そんな方には絶好の本です。相手の性格ごとに、身近な例を織り交ぜつつ、その人がどうしてそういった行動をとるのかを説明し、さらに具体的なアドバイスを提供していますので、よく納得した上で日常生活に応用できると思います。切迫した事情がない方も、「いるいる、こういう人」と楽しみながら読み進められますが、人によっては突然不安に陥るかもしれません――「これって、俺(私)のことじゃないか?」と。そのときには各章の終わりについている「性格別自己診断表」にチャレンジしてみてください。自分自身を見つめ直すきっかけになるはずです。他人について考えているつもりがいつのまにか自分に返ってくる、そんなループ構造が本書の特徴かもしれません。そういった意味では、〈難しい性格〉の人をからかったり、笑いものにしたり、排除したりすることの役には立ちません。相手をよく理解し、(適度に)受け入れ、うまくやっていくためにどうしたらよいかという立場から書かれています。絶とうと思えば絶てる関係ならいざしらず、家庭や職場などの、嫌になろうがキレそうになろうが泣きたくなろうが続けていかなければならない人間関係においては、その方がずっと生産的ではないでしょうか? そういうポジティブさゆえに、本書を多くの方々に読んでいただきたいと思っております。
なお、著者が精神科医だけに、どの章でもその性格に関連する人格障害や精神疾患などの病理について、治療法も含めて平易に解説しており、そちら方面のご関心にも応えることができると思います。また、同じ著者による『自己評価の心理学――なぜあの人は自分に自信があるのか』も発売中です。併せてお手にとっていただければ幸いです。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
精神科医。ネッケル病院の医長を務めたあと、カリフォルニア大学で行動療法を学ぶ。職業的なストレス予防の分野で企業の顧問医を務めている。著書に、『自己評価の心理学』(クリストフ・アンドレとの共著、邦訳は紀伊国屋書店)、『ある平凡な精神科医の小話集』、『精神病患者たちのための自由』がある
アンドレ,クリストフ
精神科医。トゥールーズの大学で精神医学を学んだあと、パリのサン=タンヌ病院に勤務。社会恐怖症および集団精神療法の専門家で、企業の顧問医も務めている。また、パリやボルドーなどいくつかの大学で講座を持っている。著書に、『自己評価の心理学』、『ほかの人が怖い、内気、あがり症、その他の社会恐怖症』(共著)、『認知療法』がある
高野 優
1954年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。フランス語翻訳家。主な訳書に、クリストフ・アンドレ&フランソワ・ルロール『自己評価の心理学』、マリー=フランス・イルゴイエンヌ『モラル・ハラスメント』(以上、紀伊国屋書店)、ラファエル・ビエドゥー『私の夜はあなたの昼より美しい』、ロジェ・ラブリュス『罪深き村の犯罪』(以上、早川書房)、アンヌ・ユゴン『アフリカ大陸探検史』、エディット・フラマリオン『クレオパトラ』(以上、創元社)、ジャン・ヴォートラン『パパはビリー・ズ・キックを捕まえられない』、『鏡の中のブラッディ・マリー』(以上、草思社)、マルセル・ベアリュ『夜の体験』、『奇想遍歴』(以上、パロル舎)、クリスチャン・ジャック『ピラミッドの暗殺者』(原書房)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)