病院の待合室で時間つぶしに手に取った。
この本は何を読者に伝えたいのかがよくわからない。捕物帳というにはあまりにもプロットが安易だし、料理小説としてはちっとも美味しそうな描写がない。「澪つくしシリーズ」で当てた出版社が二匹目の泥鰌を狙って「こんな設定でこのくらいのページ数で」と企画して間に合わせの作家を雇って、やっつけ仕事で出した感がアリアリ。
内容はまさにご都合主義と独りよがりのオンパレード。犯罪捜査の経験も権限もない、料理人見習いの浪人。主人公の属性はこれ以上のものではない。なのにのこのこと犯罪現場に入り込み、関係者はカマをかけられただけでベラベラと真相を語り出す。きちんと修行したわけでもないのに、主が急死した直後に代理で20人分の仕出し料理を数時間で一人で作って配達してしまうとか。しかも材料も味付けも説明なく「味が良いので有名な塩梅屋の弁当」とだけ。
心理描写が深いとか、登場人物のキャラクターの造形に長けているとか、歴史的な考証が行き届いているというような救いも一切ない。こんなの小説と言えるんだろうか。一話で読むのを止めた。明らかに時間の無駄。なのに既にシリーズ9巻とか・・・!?どこにニーズがあるのか、真剣に謎。
追記。一話でここまで貶すのは悪かったかなともう一話読んだ。更に酷かった。
「俺は夏でも甘酒が好きで・・・」呆れた。甘酒は夏ばてに効くということで江戸時代には夏に飲むのが普通だった。季語も夏!小説家ならそのくらい常識かと思うが。
追記2。この本のネガティブなレビューには漏れなく速攻で「参考にならなかった」を入れてる人がいる模様。関係者乙。